5 経営者の責任
規格原文では組織の「Top management」という表現がなされているが、「組織における最高の地位にあって組織を指揮し、管理する一人の人もしくはグループ」であると定義されている。このトップマネージメントに対する要求事項が1994版に比べ一段と拡大された。まず品質マネジメントシステムの構築と実行に対してのコミットメントが求められ、リーダーシップの発揮と積極的な参画にもコミットすることが必要である。
さらに、トップマネジメントは、製品またはサービスに適用される法令並びに規制を理解しそれを満たすことの要求事項が明示されている。企業は顧客のニーズと期待を明らかにする必要もあるが、これは企業の直接的な顧客だけでなく企業を取り巻く利害関係者も含まれる。解説を続ける前に、いったいトップマネジメントが何を行わねばならないかをこのホームページに掲載されている品質マニュアルの事例でまず確かめてほしい。
5.1 経営者のコミットメント
トップマネジメントは法令遵守、顧客要求の充足、品質方針の策定、品質目標の設定、マネジメントレビューの実施、必要な経営資源の提供に関してコミットメントを行う。コミットメントは「堅い決意表明」を意味し、何らかの方法でそれを行っていることが分かればよい。事例は、これらの要求を充たすべく品質マニュアルで表明している。あるいは、以下のような宣言文でもよい。
当社のプロセスを運営するに当たって顧客満足を最重要視し、以下のごとく経営者として強い意志表明を行う。
1) 法令・規制上の要求はもちろん顧客要求を満たすことがいかに重要であるかの社内認識を高める。
2) 神戸化学の品質方針を掲げ、全社的品質目標を作成し、継続的改善活動、社員意識調査の実施と社員育成計画を含む目標達成のための品質計画を策定する。
3) 品質マネージメント・システムを構築し、その継続的改善に努める。
4) 経営者のレビュー会議を開催し、顧客満足の向上にために品質マネージメント・システムの強化・改善を行う。
5) 事業業績を向上させるための継続的なプロセス改善、および作業環境を含む経営資源の最適配分に努める。
6) 神戸化学の利益関係者である株主、社員、供給者および地域住民のニーズや期待に沿うよう行動する。
