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        組織の持続的成功のための事業経営ー品質マネジメント・アプローチ 
 
 
前文(省略)
 
序文
 
本国際規格は、複合的な、要求の強い、そして絶え間なく変化する環境下におかれたいかなる組織に対しも、品質マネジメントアプローチによって持続的成功の達成を支援するための指針を提供する。
 
組織の持続的成功は、長期に亘ってかつバランスを取りながら、顧客と利害関係者のニーズと期待を充たす能力によって獲得される。持続的成功は、組織環境の認識をと通じて、学習により、および改善、もしくは変革、もしくは両方による組織の効果的な運営により獲得できる。
 
本国際規格は、強みと弱みである領域、並びに改善、もしくは変革、もしくは両方の機会を明らかにするためにリーダーシップ、戦略、マネジメントシステム、資源およびプロセスを捉えてながら、組織の成熟度のレベルをレビューするための重要なツールとして自己評価を推奨する。
 
本国際規格は、ISO9001よりもより広くマネジメントシステムに焦点を当てている。すべての関連する利害関係者のニーズと期待に対処し、そして組織の全体的な業績を体系的かつ継続的に改善するための指針を提供している。ISO9001およびISO9004の要素を取り込んだプロセスベースの品質マネジメントシステムの拡張モデルが図1に示されている。
 
 
  
 
 
 
 
図1 プロセスベースの品質マネジメントシステムの拡張モデル
 
 
本国際規格は、ISO9001との一貫性を維持し、他のマネジメントシステム規格との互換できるように策定された。このような規格は相互に補足しあえるが、単独に利用されることもある。
 
付属書A 組織の成熟レベルを明らかにし、改善と変革の機会を明確にするために、組織が組織自身の強みと弱みを自己評価するツールを提供している。
 
付属書B ISO/TC 176により作成された品質マネジメント規格の基礎である品質マネジメントの原則の記述を提供している。
 
付属書c ISO9001:2008と本国際規格との条項間で相互に対応している条項を提示している。
 
 
 
 
 
          持続的成功のための事業運営 
 
 
1 スコープ
 
   (省略)
 
2 引用規格
   
   (省略)
 
3 用語と定義
 
   (省略)
 
4 組織の持続的成功のための事業経営
 
4.1 一般
 
持続的経営を達成するために、トップ経営者はクオリティマネジメントアプローチを採用しなければならない。組織のクオリティマネジメントシステムは、付属書Bに記述されている原則に基づくべきである。これらの原則は、効果的なクオリティマネジメントシステムの基盤となるコンセプトである。持続的経営を達成するために、トップ経営者は、組織のクオリティマネジメントシステムにこれらの原則を適用しなければならない。
 
組織は、以下の事柄を確かなものにするために組織のクオリティマネジメントシステムを構築しなければならない。
 
ー 資源の効率的な利用
ー 定量的なデータに基づいて行われる決断
ー 顧客満足とともに、その他の利害関係者のニーズと期待をも最重視
 
注記 この国際規格では、「トップ経営者」という用語は組織内での意思決定の権限を有する最高のレベルに適用し、「組織」とは、組織のすべての人々を網羅する。このことは、ISO9000で決められている用語と矛盾しない。
 
4.2 持続的成功
 
組織は、利害関係者のニーズと期待を終始一貫して、バランスのとれた方法で、充たすことで持続的成功を長期にわたって成し遂げられる。
 
組織の環境は、絶えず変化し不確かである。その上で、持続的成功を成し遂げるには、トップ経営者は、以下の事柄を行わねばならない。
 
ー 長期の計画された展望を持つこと、
ー 組織の環境を絶えずモニターし分析すること、
ー すべての関連する利害関係者を明らかにし、バランスのとれた方法で利害関係者のニーズと期待をいかにして充たすかを決めるとともに、
   事業業績への潜在的影響をそれぞれ評価すること、
ー 利害関係者と継続的にかかわりを持ち、彼らに組織の活動や計画を知らしめることを続ける、
ー しばしばお互いに競い合う利害関係者のニーズと期待のバランスを取るために、公渉と調停を含めて、広く多様なアプローチを活用する、
ー 関連する短期および長期のリスクを明らかにし、組織としてそれらを緩和するために全般的な戦略を展開する、
ー (人々に要求される能力を含めて)将来必要となる資源を予測する、
ー 変化する環境に素早く対応できることを確かにしながら、組織の戦略を達成する上で適切なプロセスを確立する、
ー 現行の計画と手順が順応されていることを定期的に評価し、適切な是正と予防処置を実施する、
ー 組織のバイタリティを維持する目的とともに、組織内の人々は自分たちのベネフィットになるための学習を得る機会を持ちうることを確かにする、そして、
ー 改革と継続的改善のためにプロセスを確立し、維持する。
 
4.3 組織の環境
 
組織の環境は、絶えず変化して行くだろう、組織の規模(大いか小さい)、組織の活動と製品、あるいはそのタイプ(利益団体、ないしは利益を追求しない団体)に関係なく、この変化は組織によって絶えずモニターされねばならない。このようなモニターリングを行うことにより、組織は利害関係者にかかわるリスクを明らかにし、評価し、管理することができるようになる。変化を続ける利害関係者のニーズと期待にも対応できる。
 
トップ経営者は、組織の業績を維持し向上させるためにタイムリーに組織的な変更と改革について決断しなければならない。
 
4.4 利害関係者、ニーズと期待
 
利害関係者とは、組織に価値を付加する、もしくは、利害にかかわりをもち、もしくは、組織の活動によって影響される個人とその他の実存する組織体である。利害関係者のニーズと期待を充たすことは組織の持続的成功に対して貢献する。
 
加えて、個別の利害関係者のニーズと期待は各々異なり、他の利害関係者のそれらと衝突・競合することにもなりうるし、あるいは、非常な速さで代ってしまうこともありうる。利害関係者のニーズと期待が表明され充たされる手段は、活動の共有、共同、交渉、アウトソーシング、あるいは停止を含む広く多様な形式をとることになりうる。
 
          表1 利害関係者のニーズと期待の事例
 
  利害関係者          ニーズと期待
 
  顧客             製品の品質、価格と納入実績 
  所有者/株主          持続する利益性
                 透明性
  組織内の人々         良好な職場環境
                 仕事の確保
                 認知と表彰
  供給者とパートナー      両者の利益と継続性
  社会             環境保護
                 倫理的な行動
                 規制・法令的要求事項の順守 
 
注記 ほとんどの組織は、自分たちの利害関係者に対して同じような記述(たとえば、顧客、オーナー/株主、供給者とパートナー、組織内の人々)を使うが、 このようなカテゴリの組み合わせは、時代の経過と組織、業界、国家および文化によって大きく異なりうる。
 
5 戦略および方針
 
5.1 一般
 
持続的経営を達成するために、トップ経営者は、組織に対してのミッション、ビジョンと(企業)価値を確立し、維持しなければならない。これらは組織内の人々、また、適切なる場合、他の利害関係者によって明瞭に理解され、容認され、支持されていなければならない。
 
注記 この国際規格では、「ミッション」という用語はなぜ組織が存在するのかの記述であり、また、「ビジョン」はその望まれた状態の記述である。すなわち、組織が望むあるべき姿、および利害関係者によっていかに見られるかを望んでいるかを云う。
 
5.2 戦略および方針の策定
 
トップ経営者は、組織の利害関係者によって容認され、支持されたミッション、ビジョンと(企業)価値を獲得するために、組織の戦略と方針を明瞭に打ち立てるべきである。戦略と方針を見直し、(適切なる場合)改正する必要があるのかないかを決めるために、組織の環境は定常的にモニターされねばならない。効果的な戦略と方針を確立し、採用し、支えるためには、組織は、以下を行うためのプロセスを保持しなければならない。
 
ー 組織の環境を継続的にモニターし、定常的に分析する。これには顧客のニーズと期待、競争力の状態、新規技術、政治的変化、経済予測、
  もしくは社会学的要因を含む。
ー 他の利害関係者のニーズと期待を明らかにし、決める。
ー 現在のプロセスの能力と資源を明らかにする。
ー 将来の資源と技術的ニーズを明らかにする。
ー 戦略と方針を更新する。
ー 利害関係者のニーズと期待を充たすために必要となるアウトプットを明らかにする。
 
これらのプロセスは、支援するために提供される必要な計画と資源とともにタイムリーに確立されねばならない。
 
組織の戦略の策定に当たっては、顧客、あるいは、法的な要請、組織の製品、その強みと弱み、機会、および脅威の分析などの活動を考慮すること。
組織の戦略の編成と見直しのために定められたプロセスがなければならない
 
注記 戦略とは、特に長期期間に亘る、目標を達成するために合理的に構成された計画もしくは手段をいう。
 
5.3 戦略および方針の展開
 
5.3.1 一般
 
持続的成功に向かって戦略と方針を実践するために、組織は以下を行うプロセスと実行方法を確立し、維持しなければならない。
 
ー 適切なる場合、戦略と方針を組織のすべてのレベルのための計測可能な目標に変換する。
ー それぞれの目標に対してタイムラインを作り、目標を達成するための責任と権限を定める。
ー 戦略に重大なリスクを評価し、適切な対応策を決定する。
ー 必要とされる活動を展開するために求められる資源を提供する。そして、
ー これらの目標を達成するのに必要な活動を実行する。
 
5.3.2 プロセスおよび実行方法
 
プロセスと実行方法が効果的で効率的であることを確かなものにするために、組織は以下のような事柄のために活動を実行しなければならない。
 
ー 異なった利害関係者のニーズと期待により生じる潜在的な摩擦を予測すること。
ー 再発防止のために組織の現在の実績と過去の問題の根本原因を評価し理解すること。
ー 利害関係者への報知を続ける、彼らのコミットメントを得る、計画に対する進捗状況を知らせ、彼らから改善のためのフィードバックやアイデアを
  得ること。
ー マネジメントシステムとそのプロセスを見直し、必要ならばそれらを更新すること。
ー モニタリングし、測定し、分析し、見直しを行い、報告すること。
ー 改善、改革および学習のための資源を含め、必要なる資源を提供すること。
ー 目標達成のための時間枠を明確にすることを含め、目標の展開、更新、完成、そして、
ー 結果は戦略と合致していることを確かにすること。
 
5.3.3 展開
 
組織の戦略と方針を展開するために、組織はプロセス間の関係を明らかにするべきである。以下を行うことによって、プロセスの連鎖と相互関係が記述は見直し活動の助けとなる。
 
ー 組織の構成、システムおよびプロセス間の関係を表示する。
ー プロセス間の相互作用での潜在的な問題を明らかにする。
ー 改善と他の変更手筈との優先順位を付けるための手段を提供する。そして、
ー 組織のすべての関係するレベルに目標を設定し、調整し、展開するための枠組みを提供する。
 
5.4 戦略と方針のコミュニケーション
 
戦略と方針のコミュニケーションは、組織の持続的成功には不可欠である。
 
このようなコミュニケーションは、意味があり、タイムリーで継続的であるべきだ。コミュニケーションは、フィードバック機能、レビューのサイクルも含め、組織の環境面での変化に能動的に対処するために準備することを組み入れるべきである。
 
効果的であるためには、組織のコミュニケーションプロセスは、垂直的および水平的に行われるべきであり、また、受け手の異なったニーズに見合ったものであるべきである。たとえば、顧客、もしくはその他の利害関係者に対してよりも異なって同じ情報が組織内の人々には伝わることもありうる。
 
6 資源の運用管理

6.1 一般

組織は、組織の短期および長期の目標を達成するために求められる内的および外的資源を明らかにすべきである。組織の資源の運用管理に関する方針と手段は、戦略と一致しているべきである。

資源(設備、施設、材料、エネルギー、知識、資金および人々など)が効果的にかつ効率的に利用されることを確かにするために、これらの資源を提供し、配分し、モニターし、評価し、最適化し、維持し、そして保護するプロセスがあることが求められる。

将来の活動のための資源の入手可能性を確実にするために、組織は、ほんの少しの潜在的なリスクを明らかにし、評価し、その上で、資源の利用の仕方を改善する機会を見つけるために資源の今の使い方を継続的にモニターするべきである。並行して、新規の資源、最適化のプロセス、および適切な技術への調査・探究がなされるべきである。

組織は、アウトソースされた資源を含め、特定された資源の入手可能性と適切性を定期的に見直すべきであり、かつ、必要なる場合、(取るべき)アクションを計画、もしくは実施するべきである。これらの見直しの結果も戦略、目標および計画の組織としての見直しへのインプットとして利用されるべきである。

6.2 財務面の資源

トップ経営者は、組織の財務上のニーズを見定め、現在並びに将来の企業運営に必要な財務面の資源を確保すること。財務面の資源は、現金、証券、ローン、あるいはその他の財務媒体のような多くの異なった形態を伴う。

組織は、組織の目標にかかわる財務面の資源の効果的な配分と効率的な利用をモニタリングし、コントロールし、報告するためのプロセスを確立し、維持するべきである。

このような事柄の報告は、非効果的もしくは非効率的な活動を明確にすることや適切な改善アクションを始動させるための手段を提供することにもなる。マネジメントシステムの成果と製品の適合性に関連した活動の財務上の報告はマネジメントレビューで利用されるべきである。

マネジメントシステムの効果と効率の改善は、組織の財務上の結果に多くの形で必ず影響を与える。事例として以下のようなものが含まれる。

ー 内的には、プロセスと製品の不具合を低減させ、原材料もしくは時間を省略すること。
ー 外的には、製品不良、保証による弁償代金、製品の製造者責任やその他の法的責任、顧客や市場の消失を低減させること。
 
注記  ISO140014は、ISO9000品質マネジメント・システムの適用による財務的および経済的利便を組織がいかに明確でき収得できるかの事例を提示している。
 
6.3 組織内の人々

6.3.1 人々の管理

人々は組織の重要な資源であり、彼らの全面的な参画は利害関係者への価値を創造する能力を強化する。トップ経営者は、リーダーシップを発揮して、共有したビジョン、共有した価値を創造し、維持しなければならないとともに、人々が組織の目標を達成するために全面的に参画出来るような内部環境を創造・維持しなければならない。

人々はもっとも価値があり重要な資源であることから、人の成長、学習、知識の移転およびチームワークを助長・促進することができる彼らの作業環境を確保することが必要である。組織は、人々が彼らの貢献と役割の重要性を理解することが確かになるようにしなければならない。

組織は、以下の事柄を行うことで人々に力や権限を与えるプロセスを確立するべきである。

ー 組織の戦略とプロセスの目標を各々個人の業務目標に変換し、それらを達成するための計画を確立する、
ー それらの実行に当たっての制約を明らかにする、
ー 問題を解決するための自己責任の認識と権限を得る、
ー 各々個人の業務目標に対する個人的な成果を評価する、
ー 彼らの業務達成能力と経験を強化するための機会を積極的に詮索する、
ー チームワークを促進し、人々との間のシナジーを助長させる、
ー 組織内の情報、知識および経験を共有する

6.3.2 人々の業務達成能力

業務達成能力を持つことが確かになるようにするために、組織は「人材育成計画」および関連プロセスを確立し、維持するべきである;これらは、以下のステップにより人々の業務達成能力を明確にし、開発し、向上させる上で組織を支えることになるに違いない。

ー ミッション、ビジョン、戦略、および目標に因んで、短期的並びに長期に亘って組織が必要とする専門的および個人的能力を明確にする、
ー 組織内で入手できる能力を明らかにし、現在入手できるのは何か、現在必要なのは何か、および将来必要になる能力との間のギャップを明確にする。
ー このギャップを埋めるためにコンピデンスを向上させる、ないしは獲得する行動を実行する、
ー 必要なるコンピデンスが獲得できたことを確かにするために取られたアクションの効果をレビューし、評価する、
ー 獲得したコンピデンスを維持する。

注記 コンピデンスと訓練に関してのさらなる指針についてはISO10015を参照

6.3.3 人々の参画と動機付け

組織は、顧客並びに他の利害関係者に対しての価値の創造と提供に関して人々の責任と活動の貴重さと重要さを彼らが理解するように動機付けを行わねばならない。

人々の参画と動機付けを強化するために、組織は、次のような活動を考慮すべきである。

ー 知識を共有し、人々のコンピデンスを活用するプロセスを開発する、すなわち、改善に関するアイデアを収集する企画
ー 適切な認知と表彰システムを導入する、これは人々の業務達成の個人別評価に基づく、
ー 個人能力開発を促進するために、技能判定システムと職能開発計画を策定する、
ー 人々の満足度、ニーズと期待のレベルを継続的にレビューする、
ー 後見人とコーチングへの機会を提供する。

注記 「人々の参画」に関する更なる情報については、付属書Bにある品質マネジメントの原則を参照のこと。

6.4 パートナーおよび供給者

6.4.1 一般

パートナーは、製品、サービス提供者、技術的並びに財務的研究所、政府並びに非政府組織、もしくはその他の利害関係者でありうる。パートナーは、パートナーシップ合意書で合意され、定められているように、いかなる形態でも貢献できる。

組織とそのパートナーは相互に依存し合い、双方とも便益を得る関係は、価値を創造するための彼らの能力を高める。組織は、供給者との関係の一つの特殊な形態であるとして考慮すべきである。そこでは供給者が資金を投資し、組織の活動分野での利益、もしくは損失を共有することができる。

組織がパートナーシップを構築しているときには、組織は、以下のような問題に配慮すべきである。

ー パートナーの貢献を最大化するために、適切なるように、パートナーへの情報提供、
ー 資源(情報、知識、経験、技術、プロセス、および訓練など)をパートナーに提供する支援を行う、
ー パートナーと利益と損失を共有する、
ー パートナーの業績を向上させる。

注記 「双方とも便益を得る関係」に関する更なる情報については、付属書Bにある品質マネジメントの原則を参照のこと。

6.4.2 供給者とパートナーの能力の選択、評価、および向上

彼らの能力を継続的に向上させ、彼らが提供する製品、もしくはその他の資源が組織のニーズと期待を充たすことが確実となるように、組織は供給者とパートナーを明確にし、選択し、評価するプロセスを確立し維持するべきである。

供給者とパートナーの選択し評価するにあたって、組織は、以下のような問題に配慮すべきである。

ー 組織活動への貢献、および組織とその利害関係者への価値創造能力
ー 彼らの能力が継続的に向上する潜在力
ー 供給者とパートナーとの協力を通じて達成される可能性のある自己能力の強化
ー 供給者とパートナーとの関係にかかわるリスク

供給者とパートナーと協調して、組織は、供給者とパートナーによって提供される製品の品質、価格および納入、および彼らのマネジメントシステムの有効性の継続的な改善を、定期的な評価と彼らの実績のフィードバックに基づいて、探究するべきである。

組織は、供給者とパートナーとの関係を継続的にレビューし、強化するべきであるが、短期並びに長期の目標とのバランスを考慮すること。

6.5 インフラストラクチャー

組織は、インフラストラクチャーを効果的かつ効率的に計画、提供、管理しなくてはならない。インフラストラクチャーが組織の目標を充たす目的に適切であるかを定期的に評価するべきである。適切なる配慮が以下になされること。

ー インフラストラクチャーの信頼性(入手可能性、信頼度、維持管理性、および維持支援への考慮を含む)
ー 安全とセキュリティ
ー 製品とプロセスにかかわるインフラストラクチャーの要素
ー 効率、コスト、要量および作業環境、そして、
ー 作業環境面でのインフラストラクチャーの影響度

組織は、インフラストラクチャーに関連するリスクを明らかにし、評価し、その上でリスクを緩和するアクションをとるべきである。これには適切な緊急計画の策定も含まれる。

注記 環境面での影響に関する更なる情報については、ISO/TC 207によって作成されたISO14001およびその他の規格を参照のこと。

6.6 作業環境

組織は、組織の持続的成功および製品の競争力を勝ち取り維持するために適切な作業環境を提供し管理しなければならない。人間と物理的な要素の組み合わせとして適切な作業環境は、以下の事柄を考慮に入れる べきである。

ー 組織内の人々の潜在力を実現するために、より大きな参画が出来る業務方法と機会を創造する。
ー 安全のルールとガイダンス、および保護装置の使用 。
ー 人間工学
ー 作業量とストレスを含む心理的要素
ー 職場の位置
ー 組織内の人々のための施設
ー 効率の最大化およびムダの削減
ー 熱、湿度、照明、空気の流れ、そして、
ー 衛生、清浄、騒音、振動および汚染

作業環境は、組織の構内(すなわち、顧客、供給者、およびパートナー)で働き、あるいは訪ねてくる人々に生産性、創造性および良き未来への発展性を助成・促進させるものでなければならない。

6.7  知識、情報および技術

6.7.1 一般

組織は、重要な資源として知識、情報および技術を管理するためのプロセスを策定し維持しなければならない。このプロセスは、如何にしてこれらの資源に対するニーズを明らかにし、取得し、維持し、保護し、利用し、そして評価するかに対処しなければならない。組織は、そのような知識、情報および技術を、適切に、利害関係者と共有しなければならない。

6.7.2 知識

トップ経営者は、組織の現在の知識ベースを如何に明らかにし、保護するかに対処しなければならない。トップ経営者は、アカデミックで専門的な機関のような、内的および外的な情報源から組織の現在および将来のニーズを充たすために必要な知識を如何にして獲得するかも考慮しなければならない。知識を明確にし、維持し、保護するかを明らかにする際に配慮すべき検討課題には、次のような多くのことがある。

ー 失策、ニアミスの状況および成功からの学習
ー 組織内の人々の知識と経験を取り込む
ー 顧客、パートナーおよび供給者からの知識を収集
ー 組織内に存在する文書化されていない知識(暗黙と周知)を取り込む
ー 重要な情報内容(特に、供給と生産チェーンの個々の接点での)の効果的なコミュニケーションを確実に行う
ー データと記録を管理

6.7.3 情報

組織は、信頼できるし利用価値のあるデータを収集し、しかもそのようなデータを意思決定に必要な情報に変換するためのプロセスを策定し維持しなければならない。

これには、データの貯蔵、セキュリティー、保護、コミュニケーションおよび配布、並びに全ての関連団体への報知に必要となるプロセスが含まれる。組織の情報およびコミュニケーションシステムは、その能力を確保するために、頑丈でありかつアクセスし易いものである必要がある。組織は、組織の成果、プロセスの向上に関連する情報、および持続的成功の達成に対する進捗具合についての情報の保全、秘密性および入手可能性を確実になるようにしなければならない。

6.7.4 技術

トップ経営者は、製品実現、マーケティング、ベンチマーキング、顧客交流、供給者との関係およびアウトソースされたプロセスのような分野での組織の成果を強化するための技術的な選択肢に配慮しなければならない。組織は、以下の事柄を評価するためのプロセスを策定しなければならない。

ー 組織の内外にある組織の現在の技術レベル、開発が進む傾向を含む
ー 経済的コストとベネフィット、
ー 技術上の変化に関連するリスクの評価、
ー 競争面での環境、そして、
ー 競争力を維持することを確かにするために、顧客の要求に迅速に対応するスピードと力。

注記 知識を如何にして保護するかに関してさらなる情報については、情報技術セキュリティテクニックに関するISO/JTC 1/SC 27によって作成されたISO/IEC 27000およびその他の規格を参照すること。

6.8 天然資源

天然資源の入手可能性は、組織の持続的成功および顧客とその他の利害関係者の要求事項を充たす能力に影響を与え得る要素の一つである。組織は、エネルギーと天然資源の短期と長期に亘る入手可能性に関係するリスクと機会を考慮しなければならない。

組織は、明らかにされたリスクを緩和するためのプロセスの開発への配慮と同じように、製品の設計と開発には環境保護の側面の整合性に対して適切な配慮をしなければならない。

組織は、設計から、生産もしくはサービス提供を経て、製品の配送、使用そして廃棄まで 、製品とインフラストラクチャーのライフサイクル全体に亘る環境への影響を最小化することを模索しなければならない。

注記  さらなる情報に関しては、環境マネジメントについてのISO/TC 207によって作成されたISO 14001およびその他の規格を参照すること。
 
7 プロセスの運用管理

7.1 一般

プロセスは、組織にとって特有のものである。組織の形態、規模および成熟度の高さに大きく依存している。個々のプロセス内の活動は定められ、組織の規模と特殊性に適切でなければならない。

組織は、組織の目標を達成する目的のために、プロセスが効果的で効率的であることを確実になるように、アウトソースされたプロセスを含む、全てにプロセスを積極的に管理することを確かにしなければならない。これは、プロセスの確立、相互間独立性、制約および共有資源を含む「プロセスアプローチ」を採用することによって可能となる。

プロセスおよび相互関係は、通常的にレビューされ、そしてそれが改善されように適切な処置が起こされるべきである。

プロセスのネットワーク、その連鎖および相互作用を創造し理解することにより、プロセス(複数)は一つのシステムとして管理されなけれならない。このシステムの一貫した運用はしばしば「マネジメントへのシステムアプローチ」と称せられる。ネットワークはプロセスおよびプロセスの接点を表すマップで記述される。

注記  「プロセスアプローチ」に関する更なる情報に関しては、この国際規格の付属書Bの関連した品質マネジメントの原則、同じくISO9000および ISO9000「Introduction and Support Package」文書であるGuidance on the Concept and Use of the Process Approach for management syatemを参照すること。
 
7.2 プロセスの計画作成と管理
 
組織は、顧客とその他の利害関係者のニーズと期待を満たし続けることができる製品を提供するために必要なプロセスを定め計画しその機能を、定常的に、明らかにするべきである。プロセスは、組織の戦略に従って計画されるべきであり、また経営活動、資源の提供、製品実現、モニタリング、測定並びにレビュー活動に注目し対処するべきである。
 
プロセスの計画作成時には、次のような事柄に配慮されなければならない。
 
ー 組織の環境の分析
ー 市場開発の短期的長期的な予測
ー 利害関係者のニーズと期待
ー 達成されなければならない目標
ー 規制および法的要求事項
ー 潜在的な財務上およびその他のリスク
ー プロセスのインプットとアウトプット
ー 他のプロセスとの相互作用
ー 資源と情報
ー 活動と手段
ー 必要とされる、もしくは望ましい記録
ー 測定、モニタリングおよび分析
ー 是正および予防処置
ー 改善及び/もしくは改革活動
 
プロセスの計画作成は、組織が新規の技術を開発もしくは取得し、新製品を開発し、もしくは追加された価値に対して新製品の特性を広める必要性を決めることができる。
 
7.3 プロセスの責任と権限
 
個々のプロセスに対し、組織は、プロセスおよび他のプロセスとの相互作用を構築し、維持し、管理し、そして改善する明確な責任と権限を持たせたプロセスマネジャー(しばしば「プロセスオーナー」と呼ばれる)を任命すべきである。プロセスマネジャーは、プロセスの性格と組織の文化に基づいて、個人であっても、またチームであってもよい。
 
組織は、プロセスマネジャーの責任、権限および役割が組織全体で認識されること、および個々のプロセスにかかわりを持つ人々が自分が携わっている仕事や活動に必要な能力を持ちわせていることを確かにしなければならない。 
 
8  モニタリング、測定、分析およびレビュー

8.1 一般

絶えず変化を続け不確かな環境下であれ持続的な成功を収めるためには、組織は、組織の成果を定常的にモニターし、測定し、分析し、そしてレビューすることが必要である。

8.2 モニタリング

トップ経営者は、組織の環境をモニタリングし、以下の事柄に必要となる情報を収集し管理するためのプロセスを策定し維持しなければならない。

ー すべての関係する利害関係者の現在並びに将来のニーズと期待を明確にし理解すること、
ー 強み、弱み、機会及び脅威を評価すること、
ー 代替できる、競争力のある、もしくは新しい製品の提供を決定すること、
ー 現在および出現しつつある市場と技術を評価すること、
ー 規制と法的要求事項での現状と予期される変化を予測すること、
ー 労働市場および組織の人々の忠誠心への影響を理解すること、
ー 組織活動にかかわる社会的、経済的、環境傾向および地方文化の側面を理解すること、
ー 天然資源への必要性を決め、長期的な保護を明らかにすること、
ー 現在の組織はとして、またプロセスの能力を評価すること(付属書Aを参照)

注記 「顧客重視」に関する情報については、付属書Bの関連した品質マネジメントの原則を参照のこと。

8.3 測定

8.3.1 一般

トップ経営者は、組織の関連した全てのレベルおよび全ての関連するプロセスと部門に於けるミッション、ビジョン、方針、戦略および目標に対して計画された結果の達成面での進捗状況を評価しなければならない。測定および分析プロセスは、このプロセスをモニターし、成果の評価および効果的な意思決定に必要な情報を収集し、提供するために利用されなければならない。適切な主要成果指標(KPI)およびモニタリング手法の選択は、測定および分析プロセスの成功には重要である。

主要成果指標(KPI)の収集するために手法は、組織に対して実用可能であり適切でなければならない。典型的な事例には以下が含まれる。

ー リスク評価とリスク管理
ー 顧客およびその他の利害関係者の満足に関しての面接、質問票および調査
ー ベンチマーキング
ー 実績のレビュー、供給者とパートナーを含む
ー プロセスの変動要因と製品の特性のモニタリングと記録

8.3.2 主要成果指標

組織の統御しかつ持続的成功に重要な因子は、実績の測定に基づき、主要成果指標(KPIs)として明確にされねばならない。このKPIsは、定量的であり、組織が測定可能な目標を設定し得るし、傾向を明らかにし、モニターし、予測でき、必要なときには是正、予防および改善活動を行うことが出来るようにさせるものでなければならない。トップ経営者は、戦略的で巧妙な決定を行うためのベースとしてのKPIsを選ばなければならない。次に、KPIsはトップレベルの目標達成を支えるために業績の指標として組織の関連部門やレベルに適切に下に落とし込まれなかればならない。
 
KPIsは、組織の性格や規模に対し、また製品、プロセスおよび活動に適切でなければならない。これらは組織の目標に合致している必要があり、よって、戦略と方針(5.2参照)とも合致しているべきである。リスクと機会にかかわる特殊な情報はKPIsを選択するときに考慮されるべきである。
 
KPIsの選択に当たっては、組織は、測定可能で、正確で信頼できる情報をそれらが提供することが確かになるようにしなければならない。しかも、実績が目標に適合していない時にそれらの情報が是正処置を講じるのに利用できなければならない。あるいは、プロセスの効果と効率を向上させるために利用できなければならない。以下のような情報を考慮するべきである。
 
ー 顧客とその他の利害関係者のニーズと期待
ー 組織にとっての個々の製品の重要性、現在と将来の両方で、
ー プロセスの効果と効率
ー 利益性と財務上の成績、そして、
ー 適用できる場合には、規制および法令上の要求事項
 
8.3.3 内部監査
 
内部監査は、与えられた基準に対する組織のマネジメントシステムの適合性レベルを明らかにするための効果的なツールである。とともに、組織の成果を理解し分析するための価値ある情報を提供する。監査は、何が実行されているかについての独立した見解を出すために、試される活動に携わっていない人々によって行われなくてはならない。
 
内部監査は、マネジメントシステムの実施状態と効果を評価するべきである。ISO9001(品質マネジメント)やISO14001(環境マネジメント)のような一つ以上のマネジメントシステムに対しての監査を含み、顧客、製品、プロセスおよび特定の問題に関連する特別の要求事項に対処することも含む。
 
効果的であるためには、監査計画に従って、力量のある要員によって、内部監査は一貫した方法で実施されなければならない。
 
内部監査は、問題、リスクおよび不適合を明らかにするための効果的なプロセスである。同じく、以前に見つけられた不適合(根本原因分析と是正および予防処置計画の策定と実施に対処されていなければならない)を終結する過程をモニタリングするためにも効果のあるプロセスである。講じられた処置が効果的であったことの妥当性確認は、組織の目標を充足する組織の能力が向上したかどうかを評価することで明らかにされる。内部監査は、組織の他の領域での利用が考えられる良いやり方の表面化して焦点を合わせることにもなる。
 
内部監査のアウトプットは、以下の事柄に利用できる信頼できる情報源を提供する。
 
ー 問題と不適合への対処
ー ベンチマーキング
ー 組織内の良いやり方を促進し、そして、
ー プロセス間の相互作用の理解を深める。
 
内部監査の結果は、マネジメントシステムへの適合性と不適合の情報を含めた報告書の形で一般的に提示される。監査報告書は、マネジメントレビューへの不可欠なインプットでもある。トップ経営者は、組織全般に亘る是正並びに予防処置を必要とする傾向を明確にするために、すべての内部監査報告書のレビューに関してのプロセスを確立すべきである。
 
組織の管理職は、是正および予防処置へのフィードバックとして第二者および第三者監査のような他の監査の結果を捉えるべきである。
 
注記 監査に関する更なるガイダンスにはISO19011を参照のこと。
 
8.3.4 自己評価
 
自己評価は、成熟度にかかわる組織の活動と実績の広範で体系的なレビューである。(付属書Aを参照)
 
自己評価は、全般的なレベルとともに個々のプロセスのレベルの両方に於ての、ベストプラクティスと組織の実績について組織の強みと弱みを明確にするために利用されるべきである。自己評価は、組織が改善、そして/もしくは必要なる場合、改革の優先順位付けをし、計画しそして実施することを助ける。
 
自己評価の結果は以下の事柄を支援する。
 
ー 組織全般のパーフォマンスの継続的改善
ー 組織の持続的成功を達成し維持することに向かっての進捗状況
ー 必要なる場合、組織のプロセス、製品および構造の改革
ー ベストプラクティスの認知
ー 改善のさらなる機会の明確化
 
自己評価の結果は、組織の関連する人々に伝達されるべきである。結果は、組織および組織の将来についての理解を共有するために利用されるべきである。結果は、マネジメントレビューへのインプットでなければならない。
 
注記1 ISO10014は、組織の品質マネジメントシステムの財務的および経済的ベネフィットに特定された自己評価ツールを提供している。
 
注記2 自己評価に関する更なる情報は付属書Aを参照すること。
 
8.3.5 ベンチマーキング
 
ベンチマーキングは、ある組織が、自分たちの業績を向上させる目的をもって組織の内外でのベストプラクティスを探し出すことに使われる測定及び分析の手法である。ベンチマーキングは、戦略と方針、業務運営、プロセス、製品と組織の構造に適用できる。
 
a) ベンチマーキングには、以下のようないくつかのタイプがある。
 
ー 組織内での活動を内部的にベンチマーキングする、
ー 競争相手の業績、もしくはプロセスとを比較するベンチマーキング
ー 包括的ベンチマーキング;戦略、業務運営およびプロセスを関係のない組織と比較する
 
b) 効果的なベンチマーキングは、次のような要因に依存している。
 
ー 組織のリーダーシップによる支援(組織とベンチマーキングするパートナーとの間で交錯する両者の知識を巻き込むような)
ー ベンチマーキングを適用するために利用される手法
ー ベネフィット対コストの見込み
ー 組織の現状に対して正しい比較を許容するために、調査される課題の性質の理解
 
c) 組織は、以下のような事項に関してのルールを決めるベンチマーキングの手法を策定し維持しなければならない。
 
ー ベンチマーキングについての課題のスコープを明確化、
ー 必要なコミュニケーションと秘守義務とともに、ベンチマーキングのパートナーを選択するプロセス、
ー 比較されるべき特性に関する指標の決定、さらに利用されるデータ収集手段
ー データ収集と分析
ー パーフォマンスのギャップ、および潜在する改善領域に見る兆しの明確化
ー 対応している改善計画の策定とモニタリング
ー 収得できた経験の組織の知識ベースと学習プロセスへの注入(6.7を参照)
 
8.4 分析
 
トップ経営者は、組織の環境をモニタリングして得られた情報を分析し、リスクと機会を明らかにし、それらを運営するための計画を策定しなければならない。組織は、関連する情報をモニターし、維持し、そして戦略と方針に与える潜在的な影響を分析しなければならない。
 
収集された情報の分析は、次のような戦略と方針面での問題について為されるべき現実的な決断を下すことができるに違いない。
 
ー 長期に亘る利害関係者のニーズと期待の面での潜在的な変化、
ー 現時点で利害関係者に高い価値を提供している製品と活動は存続できるのか
ー 利害関係者のニーズと期待の面での潜在的な変化を充たすために、組織が将来実現する必要がある製品とプロセス
ー 長期的に見た場合の組織の製品に対する進化する要求事項
ー 新規に発展する技術の組織への影響
ー 必要となるであろう新しい技能・能力
ー 組織に影響をするかもしれない、規制と法令上の要求事項で予測される変化、もしくは労働とその他の市場
 
8.5 モニタリング、測定および分析からの情報のレビュー
 
トップ経営者は、入手可能な情報のレビューと情報が意思決定(4.2参照)に利用されることが確かになるために体系的なアプローチを利用しなければならない。
 
次のように、データは多くの情報源から集められる、
 
ー 組織環境のモニタリング
ー 組織の成果の測定、主要成果指標を含む、
ー 測定プロセスの正確さと有効さの評価
ー 内部監査、自己評価及びベンチマーキングの結果
ー リスク評価、そして、
ー 顧客と利害関係者からのフィードバック
 
レビューは、適用される目標に対して達成された結果を評価しなければならない。
 
レビューは、目標達成に向けての組織の進捗具合を評価するためとともに傾向が明らかにされために、計画され定期的な間隔で実行されなくてなならない。改善、変革および学習への機会を明らかにするためにレビューは利用されなければならない。レビューは、組織のビジョンと目標に関連して融通性、柔軟性、反応性の側面を含めて、以前に実行した改善活動の評価と判定に注視・対処するべきである。
 
データの効果的なレビューは計画された結果の達成面で助けとなりうる。
 
レビューのアウトプットは、活動とプロセスの間での内部でのベンチマーキングのために、また、ある時間での傾向を示すために利用できる;同じ業界、もしくは他のセクターでの他の組織により達成された結果に対して外的にも利用できる。
 
レビューのアウトプットは、提供された資源の適切性、および、組織の目標を達成する上でいかに有効的に資源が利用されたかを示す。
 
レビューのアウトプットは、プロセス改善活動の実施を可能にする書式で表現されるべきである。
 
9 改善、変革および学習
 
9.1 一般
 
組織にもよるが、改善と同様に、変革は持続的成功には必要となる。
 
改善と変革は明瞭に区別することはできない。改善は、現存している機能を基盤に据えた継続性を強調しているが、変革は現存する基盤の一部、もしくはすべてを建設的に否定し、それを超えた新しい枠組みを持ち込む。
 
学習は、効果的で効率的な改善と変革のための基盤を提供する。
 
改善、変革および学習は次のようなことに適用できる。
 
ー 製品
ー プロセスとその接点
ー 構造
ー マネジメントシステム
ー 人間的側面と文化
ー インフラストラクチャー、作業環境と技術、そして、
ー 関連する利害関係者との関係
 
効果的で効率的な改善、変革および学習への基盤は、データ分析と学んだレッスンの取り込みをもとに公の判断をするための組織の人々の能力と可能化力である。
 
9.2 改善
 
改善活動一つの職場での小さなステップを重ねる継続的な改善から組織全体の重大な改善まで巾をもたせられる。
 
組織は、データの分析を通じて、製品、プロセス、構造およびマネジメントシステムの改善目標を定めなければならない。
 
改善プロセスは、「Plan-Do-Check-Act」(PDCA)手法のような構築手法に従うべきである。この手法にはすべてのプロセスに対してプロセスアプローチとともに一貫して適用されなければならない。
 
組織は、以下のことにより、継続的改善が組織の文化の一部として根付いていることが確かにするべきである。
 
ー 権限委譲を通じて、改善活動に参加するために組織内の人々に機会を提供する、
ー 必要な資源を提供する
ー 改善に対して認知と報償制度を策定する、
ー 改善プロセスそのものの効果と効率を継続的に改善する。
 
注記 「継続的改善」に関してのさらなる情報については、付属書Bの関連した品質マネジメントの原則を参照すること。
 
9.3 変革
 
9.3.1 一般
 
組織の環境での変化は、利害関係者のニーズと期待を充たすために変革を必要とすることもある。組織は、以下のことを行わなければならない。
 
ー 変革のニーズを明らかにする、
ー 効果的で効率的な変革のプロセスを策定し維持する、
ー 関連する資源を提供する。
 
9.3.2 適用
 
変革は、以下の面での変化を通じて、すべてのレベルでの問題に適用できる。
 
ー 技術と製品(すなわち、顧客およびその他の利害関係者の変化するニーズと期待に対応するだけでなく、組織の環境と製品のライフサイクルで予測される潜在的な変化にも対応する変革)、
ー プロセス(すなわち、製品実現への手段における変革、もしくはプロセスの安定性を向上させ変動要因を減少させるための変革)
ー組織のマネジメントシステム(すなわち、組織の環境に顕著になっている変化が生じた時に、競争での優位点が維持され新規の機会が利用されるをことを確かにする。)
 
9.3.3 タイミング
 
変革の導入へのタイミングは、一般的には、必要とされる緊急度対構築に向けられる資源とのバランスである。組織は、変革を計画し優先順位を付けるための戦略と連携したプロセスを使うべきである。組織は、必要とされる資源とともに変革の始動を支援すべきである。
 
9.3.4 プロセス
 
組織内での変革のためのプロセスの策定、維持および運用は、次のような事柄に影響を受ける。
 
ー 変革のニーズの緊急性
ー 変革の目標および製品、プロセスおよび組織の構造面でのインパクト、
ー マネジメントの変革に対するコミットメント、
ー 現状へのチャレンジと変化に対する人々の受入れる気持、
ー 新規技術の入手可能性もしくは緊急度
 
9.3.5 リスク
 
組織は、潜在的な変化の組織面でのインパクトを考慮に入れながら、与える計画された変革活動に関連したリスクを評価しなければならないとともに、必要とあらば、緊急対応計画を含め、これらのリスクを緩和するための予防処置を準備するべきである。
 
9.4 学習
 
組織は、学習を通じて改善並びに変革を奨励・促進しなければならない。
 
組織が持続的成功を勝ち取るには、「組織としての学習」および「個々の能力を組織の能力と一緒に統合する学習」を採用する必要がある。
 
a) 「組織としての学習」は次のことを考慮に組み入れる。
 
 ー 成功話と失敗談を含め、いろいろな内部および外部の出来事と情報源から情報を集める、
 - 収集された情報の深い分析を通じて内情を見つけ出す。
 
b) 「個々の能力を組織の能力と一緒に統合する学習」は、組織の価値と一緒に、人々の知識、思考パターン、行動パターンの組み合わせることによって達成される。これには、次のことを考慮に組み入れる。
 
 - ミッション、ビジョンおよび戦略に基づく組織の価値
 - 学習の一歩を踏み出しを助け、トップ経営者の振る舞いを通してリーダーシップを発揮すること、
 - 組織の内外での知識のネットワーク、接続性、相互反応性および共有を促すこと、
 - 知識の学習と共有に対するシステムを維持する、
 - 知識の学習と共有に対するプロセスを通じて、人々の能力の向上を認知し、支援し、報償すること、
 - 創造性を高く評価し、組織内の異なった人々意見の多様性を支持すること。
 
そのような知識への迅速なアクセス、および利用は、持続的成功を運営し、維持するための組織の能力を強できる。
              
                         以上