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よくある質問
 

最近、iPod やデジタル一眼レフカメラを買って趣味として楽しんでいるがいろいろ知りたいことが多く、どうしてもメーカーのホームページを利用しなくてはならない羽目に陥る。そんな時に一番役立つのが「よくある質問」のコーナーだ。このホームページにも同じような趣旨で新設した。逐次、Q&Aを追加してゆきたい。
 


ISO9001認証を取得するメリットは何か?

 

 

 

 

 

 

 

 

 


実務で 経験したことは次のようなことだった。”すべての仕事はプロセスによって達成される”との概念がISO9000にあるので、各部門の責任、即ち、やらねばならない業務の内容を簡単に要点のみでよいから明文化されなければならない。責任の文書化により、日本の会社で有りがちな部門間の曖昧さがなくなる。結果として、部門間の関係が良くなった。よくあることだが、仕事をしていると良くないと判っていることがある。これが、システムを構築している過程で、是正されるので精神面で楽になる。

やはり一番の効果は顧客との関係が改善されることだ。顧客の要求内容を明確にすることが、品質マネジメントシステムで求められている。顧客も何が本当にほしいのかを明示することを間違えることもある。顧客関連のプロセスで営業活動の要点をまとめておくことができる。

顧客により不具合を指摘されたことはもちろん、社内で発生した不適合も報告され、管理するように品質システムは要求している。このシステムがはたらくと是正処置が実施されるので、仕事
のやり方が日々改善される。ISO9001品質マネジメントシステムを構築すればは自動的に製品の品質レベルが向上するのでもなければ、企業の体質が改善されるわけでもない。しかし、PDCAサイクルを回して日々改善を進める仕掛けは埋め込まれている。

ある雑誌の一文を引用したい。日本の品質管理の国際化が求められている。

「日本企業の技術力は極めて高い。優れた製品を作り出す力を持っている。ただ、それが明確になっていないのが弱点だ。優れた製品を作りだす規範なり基準が職人的な感覚で維持されているため、なかなか外部のものにはわかりにくい。それでも、国内で取り引きする場合はこと細かく品質管理体制を説明しなくても済むことが少なくない。これまでの実績を示し、あふれる情熱を理解してもらえれば受注につながるという美風がある。
しかし、国際社会では通用しない。ISO9000シリーズの認証を取得するということは、自社の品質保証体制を明確にするということであり、新規の取引先に対してスムーズに説明できる。それが信頼の獲得につながる。」


デメリットはないのか? 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 


まず、取得・維持にコストがかかる。企業の規模によりコストは上下する が、30-50人の組織で取得時には最低100万円、一年毎の定期監査に最低50万円かかる。これ以外に、マニュアル作成や維持、機器の外部校正、内部監査のための従業員の残業費用などの経費や人件費がかかるので財政的負担が大きい。そして、取得・維持のために品質管理責任者を新たに選任する必要がある場合が多い。たとえ現在の要員から選んだとしても仕事が増えることはまちがいない。したがって、品質管理や苦情処理にかかっていたコストをISO9001の取得により軽減できなければコスト増となることは確かだ。中小企業にとって大きな負担になるのに、親企業が取得を押し付けるようなことがあるようだが、親企業の適切な配慮が望まれる。

ISO9001の啓蒙をし始めてから、いろいろと分かってきたことは、ISO9001の理解が十分でないためによる非難があるようなので、ここで掲示しておきたい。すなわち、 ISO9001の取得にともなって書類の大量生産が起こってしまった。また、取得しても製品品質がよくなった例がないと言うものもある。これらの批判についての反論を述べたい。

まず、書類の大量生産についてである。日本では、大企業をはじめ中堅企業以上の企業でのISO9001認証取得の普及が始まった。これらの企業が文書化の段階で間違って不必要な文書まで手順書にしてしまったために発生した現象である。その根拠は、平成6年(1994年)に発刊された日刊工業新聞社の「ISO9000品質マニュアル作成ノウハウ集」を読めばすぐに理解できる。この本では、数社の文書体系と事例が掲載されているが、その中には文書体系が、最上位の品質マニュアルから最下位の品質記録までの段階が8層になっている。こんなに多層階を作成しなければ、ISO9001の認証が取得できないのだろうか


社会保険庁の文書管理がいかに粗雑だったかには目を覆いたくなった。海上自衛隊では記録破棄の規則違反もあった。そもそも日本企業の文書体系や文書管理は、明らかに世界的基準から逸脱している。むしろ、ISO9001認証取得の機会に、従来から存在していたばらばらの書類を体系化し、単純な文書体系を構築することがこのような中堅企業のとってのもう一つの目的にすべきである。ISO事務局も中小企業では、極力文書類を減らし、図解やフローチャートを使うように示唆している。

つぎに、ISO9000は製品品質の改善にならないとの指摘に対する反論である。これもまたもや、ISO9001国際規格の理解が足りず、認証取得のみを目的にした企業の典型的な結果としか言いようがない。品質システムの実施にあたって、組織の経営者は、品質マネジメントシステムによって継続的な品質改善が容易になり、また、促進されるようにリーダーシップを発揮することだ。経営者の努力なしに、品質改善ができると思うほうが、よほどのお人好しである。ISO事務局の中小企業のための指針の冒頭でものべられているが、「ISO9000を取得すれば自動的に品質改善はできない」となっている。


マニュアル化によって仕事のやり方に柔軟性が無くならないか?

 

 

 

 

 

 

 

 

 


日本でも製品仕様書などすでに多くの作業についての文書化は進んでいる。しかし、営業や購買などの事務部門はいまだに「引き継ぎ」と称する口移しが行われていることが示すように仕事の文書化が遅れている日本では、懸念されるのは理解できる。海外で仕事をしていたときに経験したことだが、業務の基本的な取り決めを記載した文書がなければ仕事をしないのが一般的になっていた。これは問題が生じたときに責任を明らかにすることが出来ないからだと分かった。日本では個人ではなく組織の責任として、処理するようだが、老舗の料理店などの不祥事を聞くにつけいつまでもこのやり方が続けられるか疑問に思う。ともあれ、品質マネジメントシステムでの品質マニュアルについて懸念する必要はない。なぜなら、品質マニュアルは今社員がやっている仕事のやり方の要点だけを文書化したに過ぎない。いちいちマニュアルを見ながら仕事をする人はいない。疑問に思った時に、品質マニュアルを見るぐらいである。また、品質マニュアルはいつでも改訂できるので、仕事のやり方に柔軟性が無くなる懸念は無用と言える。

 

しかしながら、日本で使われている言葉、「マニュアル化」には反対だ。スーパーマーケットのレジで「ありがとうございました。またお待ちしています」とだれにでもまったく同じことを言わしめているたぐいのことだ。あれはアメリカの低級なスーパーでやっていることで、すこし高級な店ならばレジ係の対応は全く異なる。客の顔を覚え、にっこり笑い、「今日はどうだった?」と声をかけ、「奥さんによろしく」ともいう。人間関係を築いているのだ。観光客としてしかアメリカやヨーロッパを見ていないからアーなる。二千円ほどの指輪を買ったとしてもその時の楽しい時間を思い出すことが多い。マクドナルドのホットドックは、もっとも下劣な食べ物だというのがアメリカ人の一般認識だと思っていただきたい。ニューヨーク郊外の小さな店で食べたハンバーグは今も忘れられない。ニューヨークのブルーノートの近くにあったイタリアレストランのスープをもう一度食べに行こうと計画している。ことさように、品質マネジメントシステムでの品質マニュアルは日本の「マニュアル化」とまったく違うものだと強調したい。


品質マニュアルや手順書はどの程度詳しく書かねばならないのか?

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 


はじめに、イギリスのIQAの「小企業と品質システム」のガイドラインにある説明を引用する。 品質マネジメントシステムの文書はいかに少なくて済むかが分かると思う。

「過度の詳細な文書化は、かならずしも管理の強化にならない。むしろ、できる限り避けるべきである。適切な訓練とその記録によって、詳細な作業指示書の作成を不要とすることができる。

もし、書類の混乱をさけるため、あるいは社員が仕事を正確に行う情報をもっているなら、品質マニュアル、管理規定、作業標準書という文書階層にこだわる必要はない。

 
基本となる文書類のモデルは、企業の助けとなるが、企業の特徴を満たすような設計または修正がされない硬直した文書サンプルを用いることは、無駄な文書を増殖させ、その文書の作成と維持のために、必要のない余分な仕事と、利益の少ない出費が増加する。」

「ISO9000シリーズの文書についての柔軟性を十分利用することにより、真の管理と文書の減少がもたらされるべきである。
これは、規模にかかわらず言えることであるが、特に、文書を減らす必要がある小企業では、特徴的なことである。」

さらに、従業員数19名の小企業の具体例を挙げている。

「アーテック社(従業員19名)は、品質マニュアルだけで、管理規定はゼロであり、工程設計だけでISO9001を取得している。簡素化しているので、継続コストも低い。しかし、知恵を内外から集めて設計している。 アーテック社は、ISO9000シリーズの発想をよく理解し、真のプロを選択し、有効なシステムを設計している。」

新しいことを記述するのではなく、いま行っている品質に影響するすべての業務のやり方を文書化したものが手順書ではあるが、規格では文書化の対象となるものが限定されている。「文書化された手順」に対応するには、だれが責任と権限をもっているのか、どのような手段で業務を実施するのか、その結果を何に記録するのかがはっきり記述されていれば充分である。ただし、もしこれらの内ではっきりしないもの(たとえば、顧客からの注文書の内容確認をだれがするのかなど)があれば品質マニュアルの作成時に決める必要はある。中小企業の場合、一人でいろいろな業務を行っていることが多い。それでも、役割と業務内容さえ明確に記述されていれば問題はない。ここで注意すべきことは、現在の組織名をやたら使わないことだ。組織は変更されることが多いので、何々担当(部署)ぐらいにして柔軟性をもたすとよい。


いくどもくりかえすが、ISO事務局は中小企業の場合、文書化に多大な時間と努力を費やすことのないよう忠告している。また、日本の国際規格作成の委員会の代表が親会社が下請け会社には適切な指導をするように忠告しいる。会社の規模に合った品質マネジメントシステムの構築が肝要と考える。

 


コンサルタントの支援を考えているが、注意点は何か?

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

まず、ISO事務局のガイドラインにある指導内容の一部を以下に紹介する。

 1. かならず複数のコンサルタントと面談する。
  2. 信用度、経験および経歴をチェックして、コンサルタントを慎重に選ぶ。
 3. コンサルタントに、認証の対象となる事業活動および目的の全容を確実に理解させる。
 4. 企業の業務体制を整える期間を設定し、推進者をだれにするかなどの必要な経営資源を確保する。
 5. 結局、自分の企業の品質システムとして運営することになるのだから、コンサルタントにまかせきりにしてはならない。経営者は進捗状況を必ず強い関心を持って把握する必要がある。
 6. 製品の品質だけでなくサービスに関して顧客がなにを期待しているかを十分確認する。同時に、現在どのような計画で取得に取り組んでいるかを顧客に説明する。これをくりかえし行って、システムに順次組み入れていく。コンサルタントへの相談をこのときに必要となることもある。

その上でコンサルタントの採用を木俣ならば、まず、現実的なスケジュールを両者で設定することが絶対不可欠である。


当然のことながら、コンサルタントを効果的に活用するには双方の意思疎通を緊密にする必要がある。さらに重要なことは、本当に活用できる品質マネジメントシステムを構築するには一般従業員からのインプットが無ければ出来ない。よって、従業員と一緒に働くぐらいの意気込みを持ったコンサルタントでなければ、構築された品質マネジメントシステムは使い勝手の悪いものになる可能性が高い。また、従業員への教育・訓練の実施をコンサルタントに求める必要も出てくる。これが出来ないコンサルタントは規格の意図を十分に理解するための品質管理の基礎的知識と経験が無い場合があるので、忌避すべきだ。ここでも、コンサルタントの経歴を調査することが重要となる。また、コンサルタントは規格の要求事項を満たすための品質マニュアルを確実に作成することが出来なければならない。その品質マニュアルも単純で容易に理解できるものなっていなくてはならない。不要な文書が組み入れられて文書を取り扱う仕事を増やすようになっていないか注意する必要がある。

ISO事務局のガイドラインが強調しているのは、コンピューターのソフトで作成できる「既製品」の品質マネジメントシステムを導入しようとするコンサルタントの提案には注意を払う必要があることだ。その理由は、このような「既製品」は品質マネジメントシステムの構築期間を短縮すること以外は成功した試しがないとしている。さらに自分の会社で使える品質マネジメントシステムに変更・追加・削除などの手直しに”多くの時間と労力が無駄になる”としている。


ガイドラインは、コンサルタントに払う費用についても重要事項として言及している。コンサルタントとの契約の際には、コンサルタントの役割りや実施してくれる内容を記載した提案書や仕様書を要求すべきで、それも一社だけでなく他のコンサルタントにも同じことを求めて比較することを推奨している。

 

さらに続けて、コストだけで決定するのではなく、コンサルタントと面談しているときや業務のやり方を見学しているときを見計らって、これならコストに見合う助けを得ることができるかどうかを判断しなければならない。私見として申し上げるなら、この点が最も重要だと思う。監査員になるための研修セミナーにも明らかにコンサルタントを目指した人がいたが、彼は単に監査員の資格だけをとること目的にしていて、規格の内容や品質マネジメントシステムの意図していることが十分に理解出来ていなかった。このような人ばかりとは思わないが、やはりコンサルタントの力量を十分確認されるのが肝要と考える。

ISO事務局のガイドラインが最後に述べているのは、文書化に関することである。「品質マネジメントシステムの構築と文書化には近道はありません」としている。コンサルタントが品質マニュアルまで書き上げる契約になっているのなら、かならず業務に携わっている人々とともに充分討議して、この人々の意見が完全に組み込まれているものに仕上げることが大切で、コンサルタントの作った品質マニュアルを決して丸のみしないように警告している。


現在5S活動を実施しているが、ISO9000のシステムに組み入れてよいか?

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 


 結論から申しあげたい。当然組み入れられるし、そうした方が望ましい。ISO9001の要求事項には、このような企業独自の活動には言及していない。しかし、自社に必要な安全・衛生活動は組み込むのが正解である。事実、ISO事務局の中小企業に対するガイドラインでも、これに関連した字句がある。「経営者のレビュー」による会議での議題の一つとして、「設備、作業環境および保守」に関わる問題を挙げている。

ところで、二三の小規模企業を拝見させていただいたときに感じたことだが、工場の整理・整頓・清潔が不十分で、大幅な改善が必要だと感じた。ISO9001では、このような安全や作業環境に関してはなんら求めていない。しかし、ISO規格以前の問題である。品質は、工場を見学すればある程度の予測ができる。20年以上前のことではあるが、品質での問題を多発させていたシンガポールと米国の私たちの工場をはじまて訪問した時のことfだ。あまりにも整理・整頓・清掃が悪いのには驚愕した。これでは、日本からのお客さまに見学させらないだけでなく、多くの品質問題はこれも関係があるのではないかとして早急な改善を求めた思い出がある。

このような事情から、今回すこし5S活動の勉強をやり直してみた。そのなかで、これなら人手の少ない小規模工場でも、採用出来て、効果があると思ったことを紹介する。もう採用されている企業も多いとは思うが、それは、パートの活用だ。自分の家の部屋でも掃除することが嫌いな人に、作業と一緒に3Sを望んでも無理と考えての代案である。とくに工具類の整頓は作業者にやらせると、たとえ工具板が設置されていてもほとんどやってくれない。かれらは、いつでも取りだせることばかりが気になるからだ。そこで、休憩時間にパートのおばさんにやってもらうことにしたら成功した例が報告されていた。これで無駄な動きもなくせるし、計画的に作業する習慣をつけることができたとしていた。

さらに、チームによる安全パトロールを奨励したい。まず、従業員の中から2名ずつのチームを作る。できるだけ、多くのチームを作って順番に月一回の安全パトロールをやっていただく。どこの現場のあれが整頓されていない。危険だからこうした方がよいとパトロール後に報告してもらう。これなら、やがて自分にも順番がくるのだから、整理・整頓はやらざるをえない。出来たら、その報告をノートに記録するようにしておけば、立派な改善活動になる。ところで、このホームページの「社員教育の資料」集に5S活動に精通した人が作ったスライドがるのd、ぜひ参考にしてほしい。

                                                                                      


 認証登録の仕方が分かりません。どうすればよいのですか?

              

 

 

 

 

 

 

 

 


取得するための体制を構築し、品質マネジメントシステムに沿って業務を実施した期間も約3ヶ月になると、認証を取得する段階にくる。その時に企業ははたと考えてしまうことがある。それは、審査登録機関を決める基準がないことと、日本でも多数の審査登録機関があってどれを選べばよいのか迷う。親企業がISO9000の認証を取得ずみならば、同じ機関にするのが無難と云えば言える。審査登録機関には、専門分野を決められているところや、数多くの分野でも審査できる国際審査機関もある。

 

認証を取得した親会社の指示によってISO9000導入を決めた場合には、親会社と同じ審査登録機関に審査・登録を行うのが妥当だろう。あまり望ましいことではないが、認証取得のみが目的であるならば、地理的に有利ならばどこでもよいと思う。しかし、せっかくの取得であり企業の業務改善に役立てようと考えるならば、自社の業務を専門分野にしている審査登録機関を選択するのが望ましい。さらに、審査員の質や人柄によって企業が受ける利点が変わってくることが一般的である。だから、質の高い監査員を監査に派遣してくれる品質審査登録機関を選ぶように、慎重に調べることが重要である。認証取得ずみの企業の担当者と情報交換しながら、決定することもよいことである。あまり信頼できないが、本HPの主宰者が作成した審査期間の人気投票を掲示したページがある。 「もうこの監査機関には監査を依頼したくない」もあるので、両方を見比べて参考にしてください。

海外に製品やサービスを提供している企業は、認証そのものが重要になる。EU諸国に輸出するには、欧州で知名度が高く、信頼できる審査登録機関に認証・登録を依頼することは当然となる。この場合には、JIS規格Z9900sの認証が受けられるかを確認しておくことも大切である。

さて、審査登録機関が決まると、正式申請をする。事業活動、製品分野やその他必要な情報を所定の申請書に記入する。この申請と同時に品質マニュアルを提出する。審査機関は、規格の要求事項に沿って提出された品質マニュアルの内容を確認する。もしも、欠落があると、申請者に指摘する場合もあるが、実際には、ほとんど指摘はない。申請者は、品質マニュアルを返却されるときに、審査登録機関の確認印があることを確認することを忘れないでください。


 ISO 9000でいう顧客満足の測定にはどの程度のことをすればよいのか?

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 


ISO 9000:2000年国際規格では、顧客満足を測定する仕組みを要求している。すなわち、製品やサービスの購入者である顧客を対象とした顧客満足度調査を定期的に実施し、企業の業績との関連を明らかにする。この調査では、自社の製品品質はもちろん、納期、コスト、技術サービス、販売員や受注業務を行う従業員の顧客に対する応答・接客態度など多くの調査項目に配点してもらうのが一般的に行われる。この結果に基づいて競合他社と比較して自社の製品品質や業務の質がどの程度であるかを自己判定することができる。また、今は購入していただいてない将来顧客に対しても調査する必要がある。ただし、調査の規模をどうするかは企業が決めることであって、自社の顧客と企業環境によって変わる。

実務での経験から言えるのは、顧客満足度調査は、顧客要求の真意を認知するために単年度だけの結果では不十分で最低3年連続して調査する必要があることだ。初年度に判明した改善すべき事項に対して、自社が過去一年間実施した改善活動の結果を数値化できることが特徴で、ISO 9000でいう継続的改善を進め、その効果を測定できることになる。

顧客から見た自社の業務活動がどの程度なのかを判断するレベルを以下のように分類することを提案したい。現状認識を明確にし、レベルを向上させるために、経営者は自社の有限な資源を適切に配分することが肝要となる。

1.最低レベル

顧客仕様のみを満足させている製品を供給する。

 2.中位レベル

顧客仕様以外に、暗黙の期待(例、臭い、技術サービス、納期をきちんと守るなど)を満たしている。 

 3.高位レベル

製品の改善点や新規用途などを顧客に対して積極的に提案し、顧客から高い信頼を得ている。 

4.最高位レベル

顧客が「生涯顧客」となる。顧客は、パートナーとして供給者を取り扱うようになる。 

現在のISO 9000:2000国際規格では、中位レベルぐらいを要求していると考えてよい。なお、参考のために海外の顧客満足の測定に使われている事例を添付した。英文のWordファイルだがダウンロードして内容を確認することをお勧めします。いかに簡素で要点だけを調べているかが理解できよう。最近は、インターネットで翻訳ができるから、自分で作れるだろうと思いそのままファイルを掲載した。

     プラント設計・建設会社の満足度調査 1
           機械製造会社の満足度調査 2

           小規模企業の単純な調査票 3          

     小規模企業の単純な調査票 4


文書と記録の違いがよく分からない

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 


文書とは、業務をどのように行うかを書き下ろし、それを業務管理に使用するものであり、図面、手順書、指示書などの内部文書や法的規制、規格、仕様書などの外部文書が含まれる。一方、記録は、なんらかの活動の結果として生成されたものであり、その時点で存在した事実を述べたもので、改訂や訂正はできない。また、文書は、どんなものでも発行される前に内容が使用目的に適しているかどうか、だれか適切な人によって確認され、承認されなけれねばならない。小規模企業ならば社長でもよいが、それより権限が委譲された適当な管理者でもなんら問題はない。

文書管理には、廃止された文書は破棄することを要求しているが、法律上の理由や参考資料として保存しなくてはならないものは、当然のことだが、ISO9000の管理文書とは別に保存することはできるのは当然である。

規格では、データについても言及しているが、ここでのデータとは、常識で理解できる製品名や顧客リスト以外に在庫情報も含まれるので注意したい。管理可能なデータとは、次のようなものである。

 ・ 下請け企業のリストー名前、住所、電話などと共に購入する製品名
 ・ 顧客リストー名前、住所、電話などと共に製品名
 ・ 在庫情報ー在庫品名など

これら管理可能なデータは、更新、改訂、再発行できる。一方、管理不可能なデータ、すなわち、記録としての性格を持つデータは改訂出来ない。たとえば、ある日の出荷数量は管理不可能なデータであり、変更できない。ただし、誤って記入した数量は訂正できるのは当然であるが、訂正者の名前と日付を訂正箇所に記入することが一般的行われている。このような訂正方法は、検査結果にも当てはまる。このように、ISO9000品質システムでは、記録データは厳重な管理が求められる。特に、最近話題になっている企業の透明性の確保の観点からも記録としてのデータは正確であることはもちろん、不正があってはならない。
                                                                                      


品質計画と品質計画書の違いがよく理解できない              

 

 

 

 

 

 

 

 


国際規格では、「品質計画」を次のように規定しています。

品質及び品質要求事項、ならびに品質システム要素の適用に関する要求事項を定める活動

したがって、「品質計画」とは、ISO9000規格の要求事項を満たす品質システムを構築して、体系的に文書化した品質マニュアルを作成すること、および、その実施を確保するために必要な品質管理体系そのものである。いいかえれば、ISO9000に基づく品質保証体系の概念を具体的に適用した自社のシステムを指す。一方、品質計画書は、「品質システムの重要部分を構成する、適切な手順書の参照でもよい」となっている。すなわち、制作手順書やQC工程表のように品質マニュアルの下位にくる文書類である。このような性格の文書であるので、新規作成や改訂される頻度が高い。特に、新製品や新プロジェクトの場合には、新規作成となるので注意されたい。当然のことながら、既存製品の製造手順書は、材質や工程など品質に重要な影響を与える場合には、「品質計画書」は改訂されることになる。

質問のように社員が理解する上で混乱が生じると予想されるならば、品質マニュアルの中で明確に次のような文面を記載しておくのが無難であろう。なお、カッコ内の語句は、各企業により異なる。すなわち、

 「当社(或いは当部)の品質計画書は、製品の製造工程の主要部分を記載した作業  手順書(或いは、QC工程表、工程管理図、検査手順書)である。」


検査・試験機器の校正には国家基準までのトレーサビリティがいると言われたが、中小企業では無理。どうすればよいのか?

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 


この問題は、中小企業だけでなく、大手の企業でも同じような悩みを持っている。規格の文面からは国家基準にまで遡れることが求められているが、それをまともに受け取りれば、標準機の購入だけでも莫大な費用がかかる。しかも、新米の審査員は、この校正だけは厳密に審査して”いちゃもん”をつける事が多いことは実際に体験した。彼らは、実務はあまり分からないから、校正をやり玉にあげる傾向が強いようだ。

そのことはさておいて、どのような解決策があるかである。それは、二次標準器の作成と日常管理手順の確立である。ノギスを例にとると、ゲージブロックの二次標準器を自社で作成し、作業者は毎朝始業時に二次標準器による測定結果をグラフにしておく。データのN数が十分になれば管理限界(シグマ)を計算する。管理限界を越えたり、管理状態からの逸脱が認められた場合にのみ校正を行うと定める。一方、二次標準器を、自社が保有する一次標準器を使って校正する手順を定める。ここで用いた一次標準器には、国家基準に至るまでの証明書を基準器メーカーに要求して入手しておく。温度計などは、この手法で十分である。当然のことながら、二次標準器を用いた場合の日常点検手順書は、「検査機器の校正および日常管理規定」で明確に定めることが必要となる。この手法ならば、一次標準器の購入や校正頻度を大幅に削減でき、経費削減にも繋がる。

業種によっては、機器校正は外部機関に依頼するしか方法がない場合もある。この場合には、その旨を品質マニュアルもしくは規定に明記する必要がある。外部への依頼だから関係ないと無視はできない。外部依頼であっても、何らかの記録文書の管理、もしくは購買管理での文書化を求められる。

最後に追加しておきたいことは、校正対象機器の選定である。規格では「品質に重大な影響を与える」ものに限定するように要求している。多くの検査・測定機器の中で製品の品質にもっとも重要なもののみに限定することでよいので留意してほしい。規格では対象機器は何かなど定められていない。自社が品質確保のために絶対必要と決定することを再度確認したい。よって、ときには、自社には校正対象となる機器はないと規定できることもある。ただし、顧客からの要望されれば仕方がないこともある。


 中小企業の場合、内部監査は大企業のようには出来ない。どうすればよいか?

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 


まず、大げさな監査をイメージしないでほしい。20ー30名程の組織ならば、品質管理責任者が品質システムで定められている部署を一人で監査するのが一番妥当で、簡単だ。しかし、この場合でも、監査年間スケヂュールは作成する必要がある。品質管理責任者になるような人は、組織上重要な地位にある人であろうから、多忙に違いない。だから、年間スケヂュールを早い時期につくり、他の仕事のために時間を取られ監査が出来なくなることを避けなければならない。監査される立場の人も事前にスケヂュールが知らされていないと困ることがある。監査する人と同じように、される人も仕事で外出していて監査が出来ないことになりやすい。事実、現役時代に事前に知らせていても、仕事第一主義で外出されて出来なかったこともたびたび経験させられた。こうなると監査員側も時間の無駄使いとなる。


さらに、品質管理責任者が監査員となることの利点がある。このような立場にある人ならば、すべての業務に熟知しているはずだから、重要なところに焦点を合わせて監査が出来るので、短時間で効率よく進められるからだ。当然のことではあるが、監査員の立場を忘れてはならない。自分に不都合なことは避けたり、常々気になっていたことを監査時に不適合とするなどは避けねばならない。むしろ、監査される立場の味方となり、相談相手になるように振る舞うことが肝心である。


監査員が使うチェックリストに関して述べる。チェックリストがなくても監査はできる。チェックリストの作成をISO9000規格は絶対に求めてはいない。正直言って、二回も監査をすると何を審査すれば良いかは記憶に残る。だから、わたしは使っていなかった。それよりも、監査対象部署の手順書をコピーして、順番にチェックし、OKとか駄目とかをマークすれば簡単で、確実だ。ただし、監査記録だけは、メモ代わりに使った手順書のコピーから書き起こすべきである。メモがなくても出来るなら、その必要もない。


不適合が発見されたなら、「是正処置報告書」は必ず作成する。さもないと、ISO9001の品質マネジメントシステムは働かなくなると言ってもよい。経営者の見直し会議も出来なくなって、いずれはシステムは形骸化する運命となる可能性が高いからだ。だから、是正処置の実施確認後のクロージングも含めて「是正処置報告書」を確実に作成・保管することが最も重要である。<
                          


「予防処置」を経営者の見直し会議で討議したいが、どうのような内容なのかよく分からない。
            

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 


「是正処置と予防処置の違いついては、規格を読めば言葉としては分かる。ところが、いざ予防処置について何があるのかと討議するとなると、中味がよく分からない」と云う質問があった。現役のときに、同じ悩みを持ったので、ここでわかりやすい答えを出しておきたい。

顧客から寄せられた苦情や不満は、不適合として「不適合報告書」を用いて、原因究明とその改善策をたて、実施しなくてはならない。これらは、明らかに表面化した不適合に対する『問題対応型』の処置である。これに対して『予防型』は、声として出てきていない顧客の苦情や不満を先取りすることである。このためには、第一線の営業担当者が聞き付けたマイナスの情報が円滑に企業内で伝達される企業風土をつくることから始めなければならない。いやな情報は聞きたくない心情や態度を示す管理職が多いものだと考え、経営者は情報伝達の疎外要因が存在していないかどうかを再確認する必要がある。さらに、顧客は気持ちとしてもっているが表面化させていない苦情・不満・懸念・競争者の品質などを、顧客との日常的接触を通じて経営者自らが把握することに心がけねばならない。

実際の体験(20年ほど前だから今は違うだろう)からの助言もしておきたい。シンガポール工場でのことだが、現場の作業員は、生産設備の欠陥や製造工程の不完全さに多くの懸念を持っているが表に出していないことを知った。この作業員から「予防処置」を講じなければならいことが多々あることが分かった。このように、意見として報告されていない「作業者の思い」を汲み取る仕組みや風土を育てるのも経営者の重要な課題である。このケースでは、シンガポール本社の最高責任者が月一度工場を訪問し、現場を巡回することで解消できた。作業員は、トップに直接話ができることで誇りを感じていた。直接の上司との関係はよくなかったのが大きな原因だった。この上司には、外部の管理職訓練を受けさせた。これら一連の行為は、予防処置と言える。なお、予防処置は、マネジメントレビューで討議し、経営者トップが実行の決定を下すアクションと理解してほしい。

日本では、昔から「QCサークル」など従業員の忠誠心や自主性に支えられた活動が行われていたが、もうこのような活動に大きな期待や、従業員の善意の上で成り立つような品質管理も見直す時代になっていることを認識すべきだろう。だから、ISO9001のなかでは「予防処置」がマネジメントレビューで討議される要求事項になっていると理解するのが妥当と考える。


顧客の要求が変更された場合、すべて顧客からの文書で確認が必要か?
 

 

 

 

 

 

 

 

 

 


日本ではこのような変更を余りにも気楽にしてくる企業が多い。特に、親企業が下請け企業に対して「あれをこう変えてくれ。」と直接下請け企業の製造現場にまで電話で要求してくることが当たり前になっている。納入日や時間などはほとんど毎日という企業も現役時代に経験した。大切なお客様の言うことだから、受ける方はほとんど無抵抗に受け入れざるを得ないのが実態だと思う。

では、どのように対処するかであるが、簡単なメモを残すことでよい。メモには、顧客担当者名、変更内容のポイント、受けた人の氏名と日付時間を記入しておけば十分である。例えば、顧客から提供された図面の一部変更なら、その部分にこれらの項目を記入してサインでもしておけば完全である。これならば、小規模企業の業務実態に沿えるはずである。

 

全く異なることではあるが、米国の研究所での体験を述べたい。新製品や新しい化学合成プロセスなどを開発を行う職場では、実際のテストは多人数の実験担当者によって行われる。研究職員が実験室内で実験をすることは彼らの職務を奪うことになり、組合が絶対に許さない。そのかわり、彼らの実験結果にはかならず実験者名と日付時間が記入されている。このデータが特許などを取るときの証拠書類となるから非常に厳格に管理されている。このように証拠となる文書類は正確であると同時に作成者の責任を明確にしていなくてはならない。ISO9000の世界でも同じことが言えると理解して欲しかった。このような例を取り上げた背景である。

高額な製品ならば、製品の納入時に顧客確認(たとえば、図面に承認印をもらう)をしておけば、後々の品質保証問題を回避できる。緊急注文で納期的に仕様書や図面を作成する時間もないことがあるが、その場合も、この手法で対処することを規定で定めるべきである。例外的扱いとし、承認者など手順を明確にしておけば、審査上ではなんら問題にならない。

 

実際の体験だが、新製品を工場で作り始めることと最終仕様書づくりを同時並行で進めることはしばしばであった。顧客もISO9002認証取得工場であるのにもかかわらずこれである。このような慣行が大手をふっておこなわれているのが、日本での実態である。しかし、これも時代とともに変わるだろうとは期待しているが、顧客を含む営業部門の意識がISO9000の精神に基づくものに変わらないと無理だろうとやや悲観的な見方もしている。日本では、営業日報は書いても正式の顧客訪問報告書も作成されていないのが多い。報告書提出は営業業務の重要な責務だという時代に一日も早くならないと、ISO9000などの品質システムの効果的利用などは日本では絶望的であると思うこともある。経営の質がいま問われている。


ISO 9000認証を取得すれば、営業面で有利になるか?
 

 

 

 

 

 

 

 

 

 


ISO 9001品質システムの導入するに当って経営者として最も期待しているのは、営業面での有利さであろう。親会社からの意向など他動的な要因によるISO 9001の認証取得の動きがいまも見られるが、中小企業では営業業務の「質」を改善する必要性が高い。親会社を「お守り」することが主要な仕事と経営者も考え、情報収集の非効率やコスト意識の低さが目だつ。もしISO 9001品質システムをこの面を改善するための梃子(てこ)として用いるならば、企業業績に大きな貢献を果たすと信じている。その中身を明らかにするために、営業におけるISO 9001の導入前後の違いを以下に示す。

 

導入前  導入後

人そのものが要素になるので、生産現場のように不良率の低減活動のようなことはできない。

失注など営業活動上の不具合を不適合の発生ととらえ、事実に基づく分析が行われる。
 

結果のみのデータや情報が報告されるだけで、良い結果も悪い結果もそこに至るまでのプロセスが不明。

結果を生むプロセスのデータが残され、日常の仕事の仕組みの中で活用される。
 

 売りさえすればよい。良いものをつくるのは工場。売れないのは品物が悪い。

営業の品質保証活動の積極的な分担を通じて、顧客の期待に答える品質づくりに貢献する。
 

 営業成績の結果だけが問われ、良い結果になった「仕事のやり方」は闇の中。

 良い結果は、「仕事のやり方」が必ずよいので、その事実を「標準化」でき、他の人も活用できる。
 

売れない理由を限り無く取り上げ、他責にすることが当たり前になっている。

品質や出荷関連を含むマーケティングをどうすればよいかを考え、積極的に提案する。 

目標にしゃにむに取り組んで、忙しくて品質活動にはほとんど参加しない。

問題点を表面に出して営業の「質」を改善する意識が高い。
 

結果の悪さは、すべて御破算にして新規の計画にやにむに進む。

結果の悪さからやり方の悪さの解析が行われ、新規の計画に反映する。 

販売量と売上げを重視し、利益を軽視、ないしは無視する。

量の確保に加えて顧客満足も仕事の結果ととらえる営業と利益を重視する。
 


2000年版ISO 9000では、自社の業績も品質活動の結果ととらえる仕組みづくりが要求される。当然、上表のような営業活動の変革が行われなくてはならなくなる。 それにしても、2008年の今日でもこのような表を記載する必要があることに気づかされる。一向に改善されていない日本企業にがっかりする。