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2008 年4月 18日 アメリカ発

 

Stanly Chao氏の長い論文(QSU社の今月号)の中から中国人の契約に対する認識についての部分だけを抜粋した。

 

中国企業との契約は、西洋企業のそれとは違う。署名した合意書には中国企業にとっては主な二つの意味がある。まず一つは、契約は、よき信用と信頼を築いてパートナー会社としてのビジネスを行いたいという思いを示すことだ。姿勢を象徴すること、あるいは個人的なつながりの延長であるともいえる。夕食、社交的な飲み物やカラオケをしながら、契約は友情の証となる。

 アメリカのあるエネルギー会社が、中国で三番目に大きなソーラーモジュール製造会社と合意書に署名をした。ところが、この中国の供給者は、最初の注文なのに出荷ができなかった。理由は、要求されていた品質検査を行うために必要な機器がなかったからだ。さらに、あるサイズの電力容量のモジュールを製造できなかった。中国の製造会社が製品やテスト仕様を充たす事が出来ない時になぜ契約に署名したのかと、アメリカの会社はものも言えないほどびっくりした。

「契約は私たちのお客様に対して友情と忠誠心を示すものである。私たちはあなたの会社に好意を持っています、だからいずれ将来にはこの検査を行う計画があります。」中国のソーラー会社が送った返事はこうだった。

二番目。中国人は、契約を契約条件に対するコミットメントととしてみなしてはいるが、現時点での市場の状況での話しと考えている。市場の状態が変化すれば、たとえば、原材料不足が起こったとき、あるいは需要が増加したときには、自分たちには契約条件を変える権利が与えられていると中国人は考える。彼らの眼で見ると、ビジネスが定常的に変化している時に、契約に束縛されるのは公平ではないと映る。同じように考えて、もしアメリカの会社が契約を変更したとしても中国人は腹を立てることもない。中国人にとって契約は、市場の力が変化するにつれて両側が監視し交渉する「動く標的」なのだ。

一つの例をあげよう。中国では大手の流通会社とアメリカのあるソフトウエア販売業者が契約をした。支払い条件は明快で支払金が米国に送金されたと確認された後でのみ製品を出荷することだった。ところが、中国政府が通貨を安定させるために海外との取引を一時的に停止した。この中国の流通会社は、何ともしがたい政府の政策を引き合いに出して支払条件の変更を要求してきた。アメリカのソフトウエア販売業者はこの要求を拒否し、今も取引は行われていない。

これに対して、中国の流通会社はコメントはこうだった。「なぜアメリカ人は契約にこれほどかたくななのか理解できない。状況は毎日変わる、私たちはこのような変化に適応していく必要がある。会社と会社の関係は契約書に書かれている署名以上の意味がある」

もう一つの例を紹介しよう。ある大手の米国産業会社が冷却機タワーを中国に外注した。中国の製造会社がコストが上がったことを理由に突然新規の注文を受け付けなくなった。このようなことは米国の顧客には理屈に合わない。製造会社は、ある特定時点のある特定の価格で製品を出荷する契約で署名が行われた。顧客の要求に従って、中国企業はこれらの条件を守る必要がある。ところが、これらとてすべて中国では道理にかなう。関係を持始めた時には、鉄の価格は低かった。そののち販売価格を上げるように条件を変えてきた。そして中国人は契約を破棄した。市場の状況が変わったならば、変更を求める権利があると中国人は感じている。

中国人の契約がどのような意味があるのかということの理解にはそのほかににも難しさがある。これは歴史的な理由である。当事者以外の第三者が条件を監督するのは当然である。米国では、公明正大で偏らない決定を行うために司法のシステム、すなわち第三者に信頼を置いている。

中国企業は彼らの政府、あるいは司法システムを信頼していない。その理由は、中国文化革命にまでさかのぼる。あの時に政府は崩落した。共産主義の政府は、専門家、弁護士、教育者、破壊分子で反政府的な活動に関係していると思われたその他の人たちを投獄した。

子どもたちは両親から引き離され、近隣者は友達から引き離された。政府企業、銀行、裁判所、警察はすべて崩壊した。銀行が人々のお金を没収するかもしれないと恐れて彼らは現金をベットの下に隠した。政治家たちは裁判所や警察にわいろを贈った。

このシナリオを見れば、中国人が契約についてわれわれと違った見方をすることを理解することはやさしいだろう。とはいえ、西洋人とビジネスをやっていくには、中国企業は西洋的な方法を取り入れなくてはならない。一つの玩具製造会社の所有者が言っていた。「私は契約は嫌いだ。私はわれわれの法律システムを信用しない。彼らは私たちのビジネスを知っていない。しかし、契約を結ぶことはする。なぜなならば外国人がいつも契約を結んで取引をしたいというからだ。」 
 
著者紹介:ビジネスコンサルタント All In Consulting社の役員で15年以上米国で生活している。