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8.2.2 内部監査 

経営者への報告が必須であり経営者は監査結果に対し積極的に関与しなければならない。品質マネジメントシステムが規格要求事項に適合しているかどうか、並びに効果的に運営されているかを監査目的としているから、焦点を業務プロセスに当てた監査を行うとともにシステムそのものする。これだけのことを行える力量が内部監査員に必要となる。単に、手順書で求められている書類がきちんとなされているとか、記録が規定されたように作成され保管されているなど断片的で末梢事を取り上げることだけが内部監査ではない。現行のシステムやプロセスが本当に最善であるかどうかを評価する活動であるべきである。

この点に関して言えば、お互いを信じ合うことを前提にした日本企業の体質の中では、本来の内部監査は無理な要求なのかもしれない。相手を傷つけないように悪いことが分かっていても表面化させないならば、この内部監査本来の趣旨には根本的に食い違っている。結論的に言うならば、監査員は経営者の代行をしている意識と能力が求められる。英語の「audit」とは、まさに「監査」であって審査や社内調査ではない。

一方、経営者の意識も変える必要がある。内部監査を危機管理の一貫として認識し、真剣に取り組むべきである。企業内に内在している「もろさ」がどこにあるか、あるいは顧客視点にたてば無駄な業務が行われているところを探し出す活動ととらえる必要がある。このように内部監査をとらえると、日本企業の弱点を強化することができると考える。新規格への対応

品質マネジメントシステムが規格要求事項に対し適合しているかどうかを内部監査の目的にし、内部監査結果を基にして継続的改善活動の策定に利用する手順を加える。すなわち、8.1項の「計画」とのリンク付けを明確にすればよい。

経営陣(最高経営者自身もしくは経営管理者)への報告が確実に行われるように、内部監査報告書の「要約(リード・シート)」の写しを毎次回付されように報告書の改訂を行う。また、品質管理責任者は、是正処置報告書管理台帳の写しを定期的に経営陣に配布する手順を現行手順に加えれば対応できる。従来のように、年一回しか行わない経営者の見直し会議で三回行われた内部監査を一括して報告することは、新規格では不適合である。

当然ではあるが、内部監査員の教育訓練計画は継続的改善計画の一部となりうることを忘れてはならない。

ただし、小規模な企業ならば、以下のような簡素なの手順書でよい。
 
 表題     内部品質監査規定         発行日   1997-10-1  
                                                             改訂日    2008.4.13

 

 1. 目的  
 本規定の目的は、内部品質監査の手順を明らかにすることである。  
   
 2. 責任  
 内部品質監査の責任は、専務にある。  
   
 3. 内部品質監査員の資格  
 内部品質監査員は下記する養成と認定に定める教育を受け、品質管理責任者 
 の認定による資格を必要とする。認定を受けた内部品質監査員の氏名を品質 
 管理責任者が登録し、一覧表の形で記録管理する。  
   
 4. 内部品質監査の実施、時期  
 年1回(10月を原則とするが、変更も良しとする)に定期監査を行う。だ 
 だし、必要に応じて臨時の監査を品質管理責任者の指示により実施する。  
   
 5. 実施要領  
 内部品質監査の実施手順は以下のとうりである。  
 (1)内部品質監査スケヂュールの作成  
    品質管理責任者は、10月の定期内部監査が支障なく実施されるよう 
    に実施計画を毎年9月に立てる。実施計画には監査対象部署、実施日 
    および内部監査員名が決定されている。監査は2名のチ-ムにより実  
    施される。   
 (2)監査チェックリストの作成  
    品質管理責任者により指名された監査チ-ムリ-ダ-は、実施に先だっ  
    て監査チェックリスト(各業務規定類の写しをもって代替えできる) 
    を作成する。  
 (3)監査の実施  
    監査チ-ムリ-ダ-は、監査対象部署の代表者に監査目的、範囲、時間  
    スケジュ-ルを簡単に説明し、確認を行ったあと、監査チェックリス  
    トに基づいた監査を行う。  
    監査終了後、監査チ-ムは監査結果の概要を監査対象部署の代表者に  
    口頭で報告する。  
 (4)監査結果打ち合わせ会  
    品質管理責任者は、監査チ-ム、監査対象部署の代表者で監査結果の  
    打ち合わせを行う。打ち合わせ会では監査結果の報告とその結果に対 
    する受審部門の確認を行う。  
     
 (5)監査報告書の作成  
    監査チ-ムリ-ダ-は、監査結果を「内部品質監査報告書」にまとめる  
    。報告書の作成は一週間以内とする。不適合項目1点につき一枚の「 
    是正処置要求書」を作成し、被監査部門責任者に提出する。「内部品 
    質監査報告書」は、品質管理責任者が保管する。  
   
 (6)不適合事項の是正処置  
    内部監査の結果、発見された不適合事項については、被監査部門責任 
    者は速やかに「是正処置要求書」にもとづき是正処置および不適合再 
    発防止処置を立案し、監査員の同意を得て実施する。  
    監査チ-ムリ-ダ-は、改善の実施報告にもとづき是正結果および再発  
    防止処置を確認する。  
    是正処置および再発防止処置が完了した場合は「是正処置要求書」に 
    必要事項を記入し、監査チ-ムリ-ダ-は署名の後品質管理責任者によ  
    り保管される。  
   
 6. 内部品質監査員の養成と認定  
 外部の監査員研修機関が主催する内部品質監査員養成コ-スを終了した者は  
 、内部監査員の資格を有するとともに、社員を対象にした内部監査員養成の 
 資格も有する。品質管理責任者は、資格を有する社員に社内研修を主催させ 
 、必要数の内部監査員を養成する。また、品質管理責任者は、社内研修によ 
 り養成された社員を内部監査員の有資格者として認定する。