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ISO9001:2008発行されました
 
 
現在の2000年版ISO9001規格は2000年12月15日に発行された。この規格の策定に長期間携わったTC176委員会の一員であるアメリカの友人であり、また同じ会社でともに働いた人でもあるJim Biglowが2001年の新年にあたり次のような挨拶メールを私に送ってきた。彼は現行の2000版ISO9001規格を自慢したかったのだ。だが、肺がんに侵されすでに彼は鬼籍の人となってしまった。

Isn't it nice to be approaching the new year with our new products - the ISO 9000:2000 family - going into print?? It has been a long road and I have enjoyed working with all of you to achieve the goals

その2000年版ISO9001が2008年10月ごろに改正されることが決まった。2000年版の時に起こったような嵐がまた来るのかと思ったが、そうではなさそうだ。国際規格ISO9001は文言を少し変えるだけで済ませるようだ。実質的な内容は変わらない。これで嵐は来ないと安堵している企業も多いだろう。だから、Jim Biglowたちの労作が大改正が予定されている2015年ごろまで残ることになる。
 
ISO9001:2008規格を邦訳し、解説も加えた。ISO9001:2008(FDIS)をぜひ参照していただきたい。これから認証取得を目指す企業ならば、この内容にしたがって品質マネジメントシステムを構築すればよい。一方、すでに取得した企業は、いまの品質マネジメントシステムを淡々と実行すればよい。たとえ規格の文言が変わったとしても、実務上の活動はほとんど何も変える必要はない。もちろん、品質マニュアルはそのまま使ったとしても、監査機関にとやかく言われることもない。
 

       ISO9001:2008

 
         
 
 
現行2000年版を修正した国際規格ISO9001:2008に関する感想をある会合で述べたので参考にされたい。新しい規格にいかに対応するかについても触れている。出席者のある方がビデオを編集し、YouTubeにアップロードしてくださいました。すこし時間が長いので前編と後編に分かれている。
 
 
               
       
 
 

              

 

マレーシアの審査機関が発行した資料を添付した。2000年版ISO9001に比べて新しいISO9001:2008の文言がどのように変わったかが分かるだけでなく、それらの修正がどのような意味をもっているかを簡単明瞭に説明されている。ただし、英文だ。簡単な文章なので理解は容易だと思う。

 

ドイツ、フランクフルトからも興味深い資料が入っている。今回の2008年版規格の修正内容を次の四つに分類している。すなわち、

 

  A 規格文言の見直しには非常によい理由がある。
  E 見直しには何らかの理由がある。
  C 見直しの理由はほとんど見当たらないが、ポイントを一度チェックし、必要ならば見直すことを

    推奨する。
  D 修正された変更は品質マネジメント・システムに無関係である。なんらのアクションも必要としない。

 

本ホームページにある、「ISO9001:2008への対応策」と比較しながら、読まれるとよい。ただし、英文である。

 

 また、LRQAが最近使っているパワーポイントスライドがある。ここでも今回の修正点は、四つに分類できるとしている。すなわち、

 

  • 単なる文言の書き換え(何も影響はない)
  • 用語の上での整合性を保つため
  • 取り組み方・適用面の明確さを高めるため
  • 些細な修正ではあるが、何らかの含みを持たせている

 

 以下のスライドを読めば2008年版規格の要求事項の修正点が何で、どのように対応すればよいかが分かろう。      

       


 
アイルランドの国家規格協会が次のような注意書きをwebsiteで告知しています。ビデオにある私の説明内容を補足する意味で、アイルランドの今回の修正点での注意事項を理解してください。

今回の修正は、編集上の変更のほかにはほとんどの規格利用者にとって非常に少ない影響しか与えない。ただ、熟視すべきは次の三つの分野である。

 

  アウトソーシング(外部委託業務) あたらしくつけられた備考はアウトソースするプロセスと管理の意味を明確にする助けとなる。組織はすべてのアウトソースされたプロセスが明確にされ、品質を支えるために適切な管理がなされていることをチェックする必要がある。

  
  管理責任者 管理責任者は組織の経営管理者のメンバーであることが今回から必要となった。この人は組織によって雇用(契約による雇用でも可)され、必要となる権限が与えられ、組織図に明示されているていなければならないことを意味している。
 
  顧客が提供した製品 今回これには個人データが含まれる。もしもあなたの組織がクレジットカードや住所のような情報を保持しているならば、適切なデータ保護実施計画が定められていることを説明できなくてはならない。
 
 
今回の修正では追加された要求事項は何もなく規格の変更はないとされているが、必ずしもそうとは思わないとの意見がある。ISO9001の規格文言の作成に携わってきたBSIのChris Cox氏は、以下のようなことを述べている。
 
 現われてくる一つの変更は、「品質保証」という記載がすべて取り除かれた「ビジネス環境」という意味合いで「環境(envirnment)」と言う言葉が取り入れられた。そこには「リスク」という言葉がある。ISO9001シリーズの規格ではリスクという言葉は以前には用いられていなかった。しかし、規格は、いろいろ考慮して結局リスクに関するすべてに言及するようになった。これは大変な前進だと私は考える。
 
 
「ISO9001:2008 -これは何を意味しているのか?」と題するIRCAの記事の全文はこちら。ただし、英文である。 
 
 
 IRCAは、2008年版での認証監査を行う監査員には2時間以上の学習が必要だとアナウンスしている。このホームページには、2000版と比較して2008年版がどのように修正されたかを説明する一覧表をダウンロードできるようにしている。英文のPDFファイルをダウンロードできるが、ここに添付した。2008年版での監査を受ける場合には、監査員が新しい規格をどのように理解して監査するかを知るためにぜひ参照してほしい。
 
また、ISO事務局は、ISO9001:2008の実施について、規格の使用者に対するアドバイス(PDFファイル)を発表している。TC176委員会の主導的役割を持つ人物のアドバイスなので一読されることを薦める。
 
ISO9001:2008の規格要求事項がどのように変わったかを説明している資料。2008年版での審査に当たって監査員が質問するであろうと思われることが記載されている。なかなか興味のある内容だ。
 
遅きに失しますが、監査機関 NQAが配布しているISO9001:2008での修正に関する資料を添付する。私にはなじみのない監査機関ですが、一度は目を通す価値がある内容です。今回の修正の意図がよくまとめられているからだ。興味深いのは、修正のポイントをひと言で表現していることだ。たとえば、明確化とか強調するためとかの言葉を使っている。また、2000年版の規格文言とともに、規格の修正点が黄色のマークを使って明瞭に表示されているから、規格を購入する意味がなくなる。規格後進国日本はすこし見習ったらどうでしょう。
 
アメリカのコンサルタント会社が無償で配布している資料を添付した。ISO9001:2008の修正点の要点をまとめ、顧客満足の測定について簡単に説明している。参考にしてほしいのは、プロセスアプローチに関することだ。内部監査の仕方にも触れている。
 
 

              

 

 

この動画の続きに規格の説明がされている。動画全部を見るには、上の動画の最後にあるURLに行き、簡単な情報を入力すれば動画全体を見ることができる。今回の修正内容の解説は秀逸だ。英語原文ならではの解説が素晴らしい。

 

                                

 

 ISO9004:2008

 

                   

                                                                                 
                                                                             

孫子の代まで自分の会社を存続させたいと思っても、そく対応を迫られている日本の中小企業には難題だ。そこで推奨したいのは「持続可能な成長を目指す運営」と題した国際規格を深く理解することである。山に登るといま自分がどこにいるのかを判断するには地図と精密な羅針盤を使わなくては生き残れない。国際規格を策定する委員会では、グローバル化、情報技術の急激な進歩などを反映して大幅に改正する作業をいま進めている。したがって、国際規格ではあるが「経営の指導書」と思って熟読していただきたい。また、この規格には自社の経営面での成熟度を測る評価表も用意されている。一度、世界規模での自社の実力を試してみてはいかがだろうか。
 

 

 八つの品質マネジメント原則


国際規格ISO9000シリーズは、八つの品質マネジメント原則を踏まえて作成された。今回のISO9001の修正、並びにISO9004の改正に当たってもこの原則をそのまま採用することがまず委員会で決められた。また、監査員の資格認定を受けるには、この八つの原則を十分理解していることが前提になる。経営者はもちろん管理責任者は、ISO9004の項に掲載されている原則の一読をお勧めする。