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ISO9001:2008 修正への対応策
 
品質マネジメントシステムISO9001:2008国際規格(10/31/2008発行予定)ではいくつかの修正が加えられた。しかし、2000年版に比べて新規の要求事項が加えられたわけでもなく、規格の文言の一部が修正されただけだと総括できる。とはいえ、規格文言を細かく見ると、認証取得企業は何らかの対応をする必要がある。新しい規格では、どのように規格文言が変更されたか、あるいは新規に追加された文言は何かを一覧表にまとめて付属書としている。これに沿って対応策をまとめた。ただ、対応策は企業によって異なるが、一般的な企業の品質マネジメントシステムを想定して作成した。
 
 規格条項修正内容対応策

1.1

1.2

「法令」という文言が付け加えらられた。

「製品」とは何かということに関して備考1で明瞭にした。

法令および規制は法的要求事項と表現されうると説明するために備考2が追加された。 

この変更によって影響を受ける企業はほとんだないはずだ。とは思うが、自社の製品にどのような法令と規制が適用されるのかを明確にすることがいまだに行われていない企業ならば、それを実行する必要がある。(最近の不祥事を聞くにつけ必要な企業が多くあるように感じる。)

2

引用規格の文言が書き換えられ、改正された版のISO9000(2005) が引用された。

 対応は何も必要としない。

3

供給者、組織、および顧客に関する記述が削除された。 

 対応は何も必要としない。

 

4.1

a)「identify」が「determine」に変更された。

e) 「測定」に「適用される場合(where applicable)」が追加された。

ほとんどの企業では、対応は何も必要としない。しかし、「適用できる場合」 を活用できる、たとえば、サービス業ならば、「測定」をしなくともよい場合がある。

4.1

 「アウトソース プロセス」に必要な管理に関して、追加的な説明がなされた。

たぶん 対応は何も必要としないだろう。だが、いま一度この要求事項への対処が完全に行われているかを確認する価値があるかもしれない。なぜなら、この「アウトソース」は促進・強化され、しかも監査員によって一層厳格にチェックされることが予測できるからだ。

4.1

備考1が修正され、「分析および改善」が追加された。

備考2および3が追加され、アウトソースについて一層明瞭になった。 

 分析および改善のプロセスを企業のマネジメント・システムに含まれているかをチェックすること。アウトソースプロセスに対しても分析と改善が行われているかを調べること。

4.2.1

e)が削除され、「記録」に関する要求事項がc)とd) 項に移された。

 対応は何も必要としない。

4.2.1

備考1が変更された。これにより手順を効果的に作ることができる。たとえば、是正処置の条項に対して個別の手順を作る必要はなくなり、予防処置と一緒に組み合わせることができるようになった。 しかも、ある要求事項の条項を一つの手順で対処するのではなくて、一つ以上の手順でもって対応することもできる。たとえば、不適合製品の取扱いについては、各部門ごとに行う手順を決めることもできる。

 即座に必要とする対応はないが、改善のプロセスの一部としてこの新しい備考内容に配慮する価値があるかもしれない。

4.2.3

f)管理を必要とする外部文書はあくまで品質マネジメント・システム での利用に必要なものだけであることが明瞭になった。

多分対応は何も必要としないはず。

4.2.4

文言が書き換えられたが、その意図には変更はない。 

対応は何も必要としない。 

5.5.2

 単に「management」ではなく、「組織の」managementのメンバーになり、組織の経営層から「管理責任者」を任命することが明確になった。

対応は何も必要としないという立場だが、経営に携わらない「名ばかり管理職」や平社員のISO事務局員を任命することは許されない。これは、2000版でも同じである。management representativeとは、「経営者の代行」が正しい邦訳である。 

 

6.2.1

修正されたがわずかで、意図は変わらない。 

対応は何も必要としない。 

 

6.2.2

タイトルが変更されたが中身は変わらない。

品質マニュアルにある手順の名前を変えたりすることが必要になる企業もあろう。 

6.2.2

a)「製品の品質」が「製品の要求事項への適合性」に変えられた。

b)「適用できる場合」には、必要なる業務達成能力(competence)を得るために訓練を行い、あるいはアクションをとるという文言となった。

 

「適用できる場合には」だから、必ず訓練やその他のアクションをとらねばならないとは限らない。熟練工や長年にわたって技を磨いていた職人には何も行う必要はない。当然のことだが。 

6.3

c)支援サービスの事例に情報システムが加えられた。 

対応は何も必要としない。 

 

6.4

備考が追加され、製品の適合性に影響を与える作業環境の形態についての事例が示された。 

対応は何も必要としない。 

 

7.1

b)わずかな文言の変更あり。

 

c) 文言「測定」が追加された。

b)対応は何も必要としない。 

 

c)企業が計画作成のプロセスの一部として測定を考慮していることを検証すること。 

7.2.1

c)文言がわずかだが変えられた。製品に「関連する」から「適用される」法令・規制要求事項となった。

d)追加的な要求事項は、「 明確にされた」から「必要なるものとして考えられた」に変えられた。

 

備考が追加され、納入後の活動の事例がいくつか示された。これはa)の参照になる。

 

c) 対応は何も必要としない。

 

d)対応は何も必要としない。 

 

 

 

現行のプロセスがこれに対応しているかをチェックする必要がある。

 

7.3.1

備考が追加され、レビュー、検証、妥当性確認は分離されることもあるし、組み合わされることもあると説明している。 

対応は何も必要としない。 

7.3.2

「these」inputsが「the」inputsに変更された。

英文法上のことで、対応は何も必要としない。しかし、ニュアンスは違う。 

7.3.3

わずかに言葉が変えられたが、その意図は変わらない。

備考が追加された。 

対応は何も必要としない。 

7.5.1

d)「devices」が「equipments(7.6を参照)」に変えられた。

f) 製品のリリースの要求事項を明瞭にするために「製品」という文言が挿入された。

d)どちらにしても日本語は「機器」だから対応は何も必要としない。 

f)対応は何も必要としない。

7.5.2

わずかに言葉が変えられたが、その意図は変わらない。 

対応は何も必要としない。 

7.5.3

二番目の段落で明瞭になったことは、製品の状態は製品の実現全体を通じて明確にされなければならないことである。

 

三番目の段落で記録を 維持することの要求事項についての文言が変えられたが、内容はいまと変わらない。

対応は何も必要としない。 

7.5.4

文言が変えられたが、その意図は変わらない。

 

対応は何も必要としない。 

 

7.5.5

わずかに言葉が変えられたが、その意図は変わらない。しかし、「適切なるように(as applicable)」保存の方法の中身を決めることになった。

通常に行われているだろうから、 対応は何も必要としない。 

7.6

タイトルと一番目の段落で、「devices」「equipment」に変わった。 

 

対応は何も必要としない。 

 

7.6

a)「calibrated or verified」のあとに、「or both」が加えられた。

c) 文言が変えられたが、その意図は変わらない。

 

対応は何も必要としない。 

7.6

 記録の維持するための要求事項に関する文言は分離された。

対応は何も必要としない。 

 

7.6

ISO10012の参照を示す備考は削除された。コンピュータソフトと構成管理の検証についての新しい備考が追加された。 

必要となる対応はなかろう。 

8.1

a)製品の適合性が「製品の要求事項への適合性」に変わった。 

対応は何も必要としない。 

8.2.1

備考が追加され、顧客満足の情報を如何に収集するかの事例が示された。 

現在行っている手段が効果的かどうかを見直し、必要ならば別の代替案を考慮する。 

8.2.2

2000版規格の三番目の段落は二つの段落に分割された。その上で、文書化された手順が求められていることと、監査の記録は維持されことが強調された。しかし、要求事項そのものは現在と同じで変わっていない。 

対応は何も必要としない。 

8.2.2

2000版規格では単なる「処置」であったが 、四番目の段落で「何らかの必要なる修正および是正処置」 がとられなければならないとなった。

内部監査の手順にこの要求事項が含まれているかどうかをチェックすること。また、内部監査員が、「修正」と「是正処置」の違いを理解しているかどうかを調べること。 

8.2.2

ISO10011は、ISO19011と入れ替えられた。 

ISO10011を引用していない限り、対応は何も必要としない。 

8.2.3

文言「製品の適合性を確実にする」は、削除された。 

必要となる対応はなかろう。 

 

8.2.3

備考が追加され、どのようなタイプのモニタリングと測定方法がこの要求事項を充たすことができるかを明瞭となった。 

対応が必要にはならないだろうが、

現在行っている手段が効果的かどうかを見直し、必要ならば別の代替案を考慮する。 

 

8.2.4

 「合否判定基準に適合していることの証拠は維持されること」の要求事項は、二番目の段落から一番目の段落に移動した。

対応は何も必要としない。 

8.2.4

二番目の段落 ー 「顧客への納入に対し」が、誰が製品のリリースを許可したかの記録を残す要求事項に追加された。

 

三番目の段落 -文言が変えられたが、その意図は変わらない。

 

必要となる対応はなかろう。

 

 

対応は何も必要としない。 

 

8.3

 一番目の段落の文言が変えられたが、その意図は変わらない。

 

「適用できる場合には」が、二番目の段落の冒頭に追加された。

対応は何も必要としないだろうが、 「適用できる場合には」の文言を品質マニュアルに追加すること。

何もかも実行しなくともよいからだ。

8.3

段落3と4は、再編成されたが、その意図は変わらない。

 

段落5は、d)になり、多少の変更が行われたが、その意図は同じ。  

不適合製品の手順でISO9001:2000の文言を引用していない限り、対応は何も必要としない。 

 

8.4

b)参照先が7.2.1だったが、8.2.4になった。

 

c)8.2.3および 8.2.4が参照先になった。

 

d) 7.4が参照先になった。

対応は何も必要としない。 

8.5.2

段落1では、不適合の原因(単数)が複数に変わった。 

対応は何も必要としない。 

8.5.2

f)2000年版の単に「とられた是正処置」ではなく、「とられた是正処置の効果のレビュー」を求めている。 

 ある企業によっては、自社の手順がこの点でどうなっているかどうかを明快にする必要があろう。また、これらの活動に従事している人には、単純に是正処置が実施されたということを確認するだけでなく、実施されたアクションが良好に作動し不適合発生の潜在的原因を除去できているかを見直しによって確かめることが求められる。

 

是正処置は、不具合が発生した時に、その不具合を起こさないように止めるためにできる範囲で工程を修正、あるいは是正することである。すなわち、不具合を止める当面の処置を指している。

8.5.3

e) 2000年版の単に「とられた予防処置」ではなく、「とられた予防処置の効果のレビュー」を求めている。 

是正処置と同じように、単純に予防処置が実施されたということを確認するだけでなく、予防処置の効果はどうだったかを確かめる必要がある。

 

予防処置とは、原因究明を何らかの方法で実行し、根本原因を究明し、その原因を除去することである。その予防処置活動が行われ、実施した予防処置がどの程度効果を発揮しているかを確かめることが必要である。 

 

ただ、是正処置と予防処置の違いを規格は明確にしていないことが非難されている。次回の改定では、その点が明確にされると期待している。